夏に日焼けすると冬にカゼひかないってホント?

子どもの夏の健康法

おばあちゃんの知恵袋などで「夏に日焼けすると冬にカゼをひかない」という言葉を聞いたことがある人、いませんか?

ネットでもいろんな意見があるようですが、ここでは“東洋医学の視点”から「夏に日焼けすると冬にカゼをひかない」という言葉・健康法について紹介したいと思います。

東洋医学の世界では、発汗がカゼ治療の原則のひとつとなっています。

例えば「カゼのひき始めには葛根湯」といCMがあるように、カゼには葛根湯(桂枝湯や麻黄湯など)のような発汗作用を持つお薬が処方されます。

 写真は葛根湯に使われる生薬たち
また現代医学でも発汗が体温の調整にひと役買うことはよく知られていることです。

このように発汗と体温調整(発熱した時にどれだけスムーズに熱を下げることができるか?)は、深い関係があります。

冬にカゼをひかない・・・のではなく

「夏に日焼けをする」という言葉は、日焼けをすることが目的なのではありません。

日焼けがポイントなのであれば、日焼けサロンにでも行って日焼けしても“カゼをひかない体作り”になってしまいます。

“日焼けをする”ということは“よく汗をかく”ということにつながります。夏場に何度も発汗を繰り返すことで、発汗しやすい体になります。

発汗しやすい体とは、体温調整が得意な体です。つまり“発熱しても治りやすい体”ということに置き換えても良いでしょう。

実際に普段から汗をかく習慣が少ない人は、汗をかくのに時間がかかりますし、汗の質も良くないことが多いように思います。反対に、普段から汗をかき慣れている人は、代謝も良くすぐに汗をかくことができ、サラサラで水のような汗をかくことが多いです。

健康時でも汗をかくのに手間取るのであれば、発熱した時ならばどうでしょう?体調が崩れているのですから、通常よりも汗をかきにくくなるのでは?と、そんな可能性も考える必要があります。

小児はりで発熱を治療する際には…

実際に 当院の小児はりでは発熱したお子さんが治療に来られますが 小児はりでツボを刺激して発汗を促す治療をすることが多いです。特に上半身・背部にジワーッと発汗してきたら、熱も下がってきます。

以上のように東洋医学では、発熱(カゼ)の治療には発汗をひとつのカギと捉えています。しかし、体質や生活習慣によって、発汗がスムーズに行われる場合とそうでない場合が実際にはあります。その問題を夏の過ごし方ひとつででも改善できる。そんな意味が「夏に日焼けすると冬にカゼひかない」という言葉に込められているのではないかと考えるのですね。

もちろん熱中症などに気をつける事は必要ですが、冷房・クーラーを効かした室内の中で、1日中こもっていることは健康的とは言えません。

適度に運動し、発汗する時間帯を1日の中で作ること。次の季節の健康を視野に入れた夏の過ごし方も大事なのではないでしょうか。

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