よだれつわりの鍼灸治療例
Contents
お問合せは次のようなメールから…
大阪市西成区在住 の1児のママさん(41歳)
前回の妊娠中の症状も考慮にいれると、ずいぶんと水毒(よだれつわりの原因体質)を持っていると予想される。また年齢も考慮に入れると、つわり治療だけでなく安産へのケアの両方向から鍼灸治療を組み立てる必要がある。
そして実際の診療…初診 9月16日
主訴および問診情報
■主訴:よだれつわりと吐きつわりの複合
■問診情報
現在、妊娠10週目。
唾液の性状はネバネバとサラサラの混合。また口の中が苦いような不快感もある。
他にも痰がノドにからむ感じ、後鼻漏の症状もある。
病院ではそんな病気はない!と、言われ、ショックを受けた。
(看護師さんに1人、同じ経験を持つ人がいて、その看護師さんの配慮に救われたとも。)
第1子の妊娠中期から よだれつわりが始まる。お産の最中は一旦治まるが、産後しばらくして よだれつわりが再発。妊娠中よりはひどくないが、今回の妊娠でさらに悪化しないか心配。
吐きつわり症状は先週の9週目から始まる。
最近、微量出血があり、昨日まで病院に入院していた。特に問題は無いとのこと。
他にも胃もたれ。胸やけ症状あり。
便は硬い便(コロコロ便)が多く、毎日出ない。
尿の回数は5回/日
◆漢方治療歴:半夏厚朴湯を処方されたが、無効。
◆脈証と腹証
■脈証
全体に濡脈
水っぽく締まらない感触。
右寸口に滑脈、右尺脈に弱り。
※写真はイメージです
■腹証
心窩部の詰まり(コリ)
脈診・腹診ともに全身に水が溢れている状態が見受けられる。やや体力の低下も窺える。
しかし、体力低下は軽度のようすなので、体の弱りを補いつつ、水毒を取り去るといった、
“足して 引く”ような二段階の治療が可能な所見であると判断できる。
◆治療方針
1、安胎
2、補中益気(消化器系を中心とした体力の回復)
3、水毒を除去
脈診、腹診さらには望診・聞診で判断すると、当初に想定してたよりも母体の消耗は軽そうであった。
そのため、安胎・補中益気よりも、水毒除去の比率を高くして、よだれつわりに集中した治療の組み立てとなった。また半夏厚朴湯が無効であったことから、この処方とは違うルートで水毒を導く方向性を付ける。
(脈診腹診問診などに15分、治療時間を45分とした。)
つわりの鍼灸ケアの結果は…2診目(9月20日)
前回の治療後ほどなくして、よだれ症状が無くなった!とのこと。
便もコロコロ便ではなく、普通便となり回数も増えた。
尿も回数・量ともに増えた。
痰がノドに絡む症状が残るので、この症状をなんとかしてほしい、とのこと。
治療方針はさらに水毒除去の比率を増やす。
※写真はイメージです
■3診目以降~
痰・後鼻漏の症状ともに治癒。
そのときの体調や食事内容により、後鼻漏の症状が時おり顔を出したこともあるが、許せる程度の症状であったとのこと。
無事に出産し、産後もよだれつわりの症状は再発していないとの連絡を後日いただく。
当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は
電話予約はコチラ0721-53-6330
メール予約はコチラ