Category: プレママサポート鍼灸
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つわりと逆流性食道炎
西洋医学と東洋医学で違う診断名 ノドのつまり・異物感・違和感・不快感などの症状は、逆流性食道炎や咽喉頭異常感症として診断されることがあります。人によっては、痰がからむような異物感とも感じるケースもあります。 しかし東洋医学では梅核気(ばいかくき)として診断でき、鍼灸や漢方の治療対象となります。(詳しくはコチラ) たとえば、漢方薬ですと半夏厚朴湯が処方されることが多いようです。もちろん、半夏厚朴湯だけがノドの異物感に効くのではなく、他にも様々な処方があります。(半夏厚朴湯が効かなかったからといって、漢方は効かない…と悲観的にならない方が良いです) そして鍼灸もまた「ノドの異物感・詰まり」に効果があるのです。 咽喉の詰まりにお役立ちのツボ 治療院や鍼灸師の先生によって違いはありますが、私は内関・足三里といったツボ(経穴)をよく症状改善のために使用します。 内関というツボ(経穴) 内関(ないかん)というツボは、咽喉~胸・心窩部にかけての詰まりを解除してくれるツボです。ですから、つわり(妊娠悪阻)や乗り物酔いにも使用されるツボとして有名です。 内関に関する説明はコチラ「内関・お役立ちのツボ」の記事をどうぞ。 足三里というツボ(経穴) 足三里(あしさんり)は、胃腸のツボとして有名ですが、消化管全体の元気を補い、緊張を緩めてくれるツボです。 足三里がもつツボの効能は実に用途が広く、他にも「食欲低下」「便秘」「慢性疲労」「倦怠感」…などにも使用できます。 公孫というツボ(経穴) 公孫(こうそん)も、足三里と似ており消化器系の症状に有効なツボです。私は逆流性症状にもよく使用しますので、逆流性食道炎だけでなく、つわり(悪心・嘔吐)、咳などの治療にも使用します。 他にも不妊・妊娠中・産後ケアにもよく使う重要なツボのひとつです。 実際の治療ではこの3つのツボだけでなく、他にもいろいろなツボを組み合わせて症状改善の鍼灸を行っています。 ノドに何かが詰まって不快… このノドに何かが詰まる感じは、「気にしない方が良い」と言われても、どうしても気になるものです。手足末梢の症状と違って、首から上は神経が集中しやすい場所ですから、常に意識が集まるのです。 そのため『気にしない…』ということが非常に難しくなります。 加えて、つわり症状に悩む妊婦さんだと、つわり症状と合わさって、余計に不快感・異物感が増強します。つわり症状まで悪化するケースも少なくありません。 また痰がからむ感覚は、後鼻漏の症状を増強させるケースもあります。 ですから、これ以上つわりを悪化させないためにも、漢方薬だけでなく鍼灸も併用させ、少しでも早くつわり症状と関連症状を軽減させる必要があるのです。
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高齢妊娠にプレママ鍼灸のできること
高齢妊娠で知っておきたいこと 高齢妊娠とは、初産では35歳以上、経産婦では40歳以上とされています。また一般的には30歳を超えたころから妊娠や出産に伴うリスクが徐々に高くなると言われます。 理想のマタニティ・ライフを過ごすため、また安心して産後育児を行うためにも、高齢妊娠のことを西洋医学だけで東洋医学でも知っておくことをお勧めします。 高齢妊娠と母体にかかる負担 高齢妊娠では妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、また早産・流産・難産などのリスクが挙げられます。また、つわり(悪阻)や腰痛、むくみ(浮腫)などのマイナートラブルの負担に対する心の準備もしておくべきでしょう。 高齢妊娠では、年齢による体力低下が大きな要因となります。そのため出産・産後・育児への負担を考えておく必要があります。 これらのリスクを避けるために、食事面や運動面でケアすることが推奨されていますが、他にも東洋医学的なケアを当院では推奨しています。 東洋医学で高齢妊娠を考えると… 東洋医学では年齢とともに体質が切り替わります。女性の体質は七の倍数で変わるとされています。 28才、筋骨が引きしまり、髪は美しく、体力も満ちている 35才、経脈が衰えはじめ、顔をお肌も痛みはじめ、髪も抜け始める 42才、多くの経脈が衰え、白髪も混じり始める と、このように『黄帝内経素問』には書かれています。 写真:『素問諺解』上古天真論(当院所蔵)より もちろん、今の時代に生きる女性の体質と違う点もあるかもしれませんが、大きな流れとして体質の変化を無視することはできません。 35~40才にかけて大きく体質が切り替わる年代において、妊娠という心身に負荷をかける一大イベントが加わることで体調の変化が起こるのです。 妊娠した時点で年齢的なハンディを持っているのが高齢妊娠だといえます。 とくに東洋医学において加齢による体質変化は“腎の弱り(腎虚)”と密接な関係があるとされています。そして腎は妊娠出産を支える器官です。年齢的な腎虚体質は、高齢妊娠のリスクやマイナートラブルに備える上で知っておくべきものなのです。 腎の他にも肝・脾といった三臓のはたらきも高齢妊娠をケアするうえで考慮すべき体質です。 東洋医学でできる高齢妊娠への鍼灸ケア 妊娠中は母体の肝・脾・腎の三臓が協調してはたらくことで、妊娠を維持しています。しかし高齢妊娠ではこれら三臓の機能が低下し始める傾向にあります。 また氣・血・水の代謝にも目を向ける必要があります。 通常、妊娠では氣・血を子宮に集めることで胎児を守り育てます。しかし高齢妊娠では、氣・血も減りはじめ、その流れも低下しはじめる傾向にあります。また水分の流れも渋滞しやすくなり、種々のマイナートラブルを引き起こします。 このようにみると高齢妊娠には不利な点が多いですが、これらのハンディを冷静に把握することで、様々な症状や不調が発症するその前に手を打つことができるのです。 近代西洋医学による検診と併用して、東洋医学的な高齢妊娠へのケアを受けることも当院では推奨しています。 目に見える異常やリスクに対しては近代西洋医学、目に見えない体質的なケアに関しては東洋医学で、と万全の対策をしておくことが大切です。 高齢妊娠へのプレママ鍼灸治療カルテ 現在カルテ整理中。 当院に治療に来られる妊婦さんの多くは年齢的に高齢妊娠に入ります。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
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多胎妊娠にプレママ鍼灸のできること
多胎妊娠で知っておきたいこと 多胎妊娠とは、双子(ふたご)や三つ子(みつご)のように、2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠することです。 また双子にもいろんな分類があります。一絨毛膜一羊膜(MM双胎)、一絨毛膜二羊膜(MD双胎)、二絨毛膜二羊膜(DD双胎)といった膜性分類です。 一絨毛膜とは一つの胎盤と絨毛膜を2人の赤ちゃんで共有すること。二絨毛膜とはそれぞれの赤ちゃんが胎盤と絨毛膜を持っている状態です。 一羊膜と二羊膜の違いは、赤ちゃんが羊膜という個室で区切られているか(二羊膜)、同室に2人いるか(一羊膜)の違いです。 それぞれのタイプで起こり得るリスクに違いがあります。 多胎妊娠と母体にかかる負担 多胎妊娠では単胎妊娠よりも母体にかかる負担が大きく、つわり・早産・妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育遅延、胎児形態異常…などが心配されます。 またマイナートラブルとしても、お腹の張り痛みや腰痛、むくみ(浮腫)、逆子などの起こりやすいです。 これらのリスクを避けるため(多胎妊娠の状況によって)管理入院が勧められます。 東洋医学で考えると 東洋医学でも母体にかかる負担を考えることができます。 通常、妊娠期間中には肝・脾・腎のチカラを大いに消費します。それが多胎妊娠となれば、その消耗度も数倍となります。 このような肝・脾・腎の消耗が進めば進むほど、母体が耐え切れずに早産、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群などが起こります。また胎児を育てる氣血が低下することで胎児の発育遅延が起こるのです。それらの問題が起こる前に体質的に防ぐ東洋医学的なケアが必要です。 東洋医学でできる多胎妊娠への鍼灸ケア 妊娠中は母体の肝・脾・腎の三臓が懸命にはたらくことで、妊娠を維持し、胎児を育てます。 また氣・血・水も通常の代謝とは異なります。子宮に氣・血を集めることで胎児を守り育てます。 多胎妊娠となると、氣・血の消耗は通常の倍となり、下半身に停滞・貯留する水もまた通常以上となり、種々のマイナートラブルを引き起こします。 近代西洋医学による検診・管理と併用して、東洋医学的な母体へのケアを加えることも推奨します。 目に見える異常やリスクに対しては近代西洋医学、目に見えない体質的なケアに関しては東洋医学で、と万全の対策をしておくことも重要です。 多胎妊娠へのプレママ鍼灸治療カルテ 上の子もいるので入院を遅らせたい…双子の妊婦さんのカルテ 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
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双子の妊婦さんへのプレママ鍼灸 診療録
先日、無事に双子の出産を終えた方が安産の報告に来てくださいました。私は治療の最中だったため、残念ながら対面できず…(残念!!)。 この方(Kさん)が来院されたのは妊娠中期(18週)のとき 「多胎妊娠のため体調ケアが必要」 「上に1才10ヶ月の子どもがいるため、早期入院は避けたい」 「なによりできる限りの安産の準備をしておきたい」 とのこと。 すでに当院の治療開始時で ✓ つわり(吐き気) ✓ 身体の重さ ✓ お腹の張り ✓ 腰痛 ✓ 冷え などの諸症状が出ていました。 また「お腹の張り」「腰痛」などはこれから一気にお腹が大きくなりますので、今のうちに軽減させておく必要があります。 当時のカルテを見なおすと、二診目のときに鍼治療の感想として… 「治療後はスッキリして体も軽くなり、スタスタ歩いて家まで帰れた。」 「その姿に家族もビックリ。」 「ムカムカも治まっている!」 と、Kさんの驚きを表わす言葉が残っています。 このときに当院のプレママ鍼灸の効果を実感していただけたのでしょう。コツコツと通院してました。 多胎妊娠ともなると、母体にかかる負担も倍以上となります。またKさんは上の子の育児もあるため、その疲労や負担は相当なものと考える必要があります。 ですので、コツコツと定期的に通院くださるのは、治療する側としても本当にありがたいのです。 そのおかげもあって、結果的に2人とも自然分娩で済んだのは心からホッとしました。 なによりも38wkまで入院せずに済み、ギリギリまで上のお子さんとも一緒にいることができたと言ってくれたのも嬉しかったですね。 (もちろん、母子保健センターに定期的に検診通院していましたよ。) もちろん、途中には双子の子のうち一人の“発育不良”、二人とも“逆子”などの悩みもありましたが、それらの問題にも東洋医学的なプレママ鍼灸でサポートし続け、なんとか無事に経腟分娩でお産を乗り越えることができました。 なにより当院でのプレママ鍼灸ケア最終日は忘れらないものがあります。 Kさん「今回の妊娠ではこんなに元気ですごせたのは先生たちのおかげです。」 私たち「そう言っていただき、ありがとうございます」「無事のお産を祈ってますね。」 と、こんな言葉を交わして当院を出ていくときのKさんの姿は今でも思い出すことができます。お互いにウルッときてましたから。 その後、お電話にて2人のお子さんともに経腟分娩で行うことができました。との嬉しいご報告をいただいたのは何よりもうれしかったですね。
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つわりとムズムズ脚症候群のダブル治療
今回のマタニティ鍼灸カルテは妊娠12週目の方。 吐き気を主訴としてご来院されました。 実際に来られていろいろとお話を伺ってみると、今回の妊娠は4回目。 過去の妊娠・出産では毎回なんらかのマイナートラブルがあったそうです。 ひと通りの問診終えた時に思ったのが、『こりゃ一筋縄ではいかないな』と。 主訴は「吐き気」を主としたつわりなのですが、どうやらそれは表面上の症状のようで・・・ 妊娠期のマイナートラブルいろいろ 初診時のマイナートラブル各症状 ・吐きつわり・食べつわり、2つのつわり症状あり。 ・食後の胃の詰まり感も強い。 ・便秘あり ・むくみ(浮腫)あり ・仕事は忙しく朝から夕方まで動き回っている 毎日体力の限界まで頑張っているようす ・ムズムズ脚症候群の症状も強く見られる 主に足首とふくらはぎの周辺 どうやら“つわり”と“ムズムズ脚症候群”のW症状のようです。 これは湿痰・水毒の処置に力を入れるべき体質のようです。 鍼灸師のための☝point情報 つわり・ムズムズ脚症候群の体質として、両疾患ともに水毒(すいどく)湿痰(しったん)が関わるとみています。 しかし、湿痰・水毒を生み出す原因には、食生活や運動、排便排尿など生活習慣が深く関与します。 この生活習慣を変えるということは難しいことが多く、対処療法的な処置に終わってしまうことが…。 この方の鍼灸ケア第1回目は「①安胎・②体力補給・③水毒除去」といった優先順位で行いました。 しかし治療の割合としては「安胎10%、体力補給70%・水毒除去20%」 特に日々忙しく走り回っている様子が非常に気になり、体力補給の鍼とお灸は必須と判断しました。 4人のお子さまを抱え、朝から晩まで毎日のお仕事。 家事・育児・仕事、さらに妊娠…と通常の4倍は消耗していると言えます。 つわり・ムズムズ脚症候群の症状は、水毒除去によっていくぶん軽くなる予定です。 とはいえ、今回の主となる治療方針は体力補給なので、その旨をお伝えし、 自宅灸のツボについてもアドバイスをして初診終了としました。 2診目・・ 気になる初診の結果は・・・ 「つわりがかなり減りました!」とのこと。 「吐き気は減り、あれから嘔吐は無く、胃の重さ・詰まりも取れて、久しぶりに爽快な気になれました!」と嬉しいコメント。 疲労を主な治療ターゲットとし、体力補給を7割にした鍼灸ケアの組み立てで、 そこまでつわり改善の結果が見られるということは、「やはり疲労の影響が強いんですよ…」とアドバイスをさせていただきました。 少しでもペースを落としてくれればいいのですが…現実はそうはいきませんよね…。 とはいえ、鍼灸2診目も同様の治療配分で終了としました。 ムズムズ脚もラクになりました! 3診目の問診では以下のようなコメントをいただきました。 「つわりはもう気になりません」 「ムズムズ脚(の症状)もシールの鍼を貼ってもらうと全然気にならない!」 「今までの妊娠生活い比べてダントツで動けます(笑)」 と、嬉しくも快調すぎて心配になるコメントをいただきました。 心配していた日々のガンバリによる疲労や ※「シールの鍼」とはパイオネックスという鍼。 下写真のように、シール状になっていて中央に鍼状の刺激箇所があります。 写真:セイリン(SEIRIN)社製 パイオネックス(PYONEX)の写真 下のようにツボに貼ります。 ツボは反応が最も強い点を見極めて貼りますので、専門の鍼灸院でパイオネックスを貼ってもらうことをお勧めします。 鍼状の部分は長さが1㎜以下なので、痛くありません。 シール・カラーは肌色に近く、見た目もほとんど気になりません。 足三里にパイオネックス。 足三里は消化器系の働きを助け、水毒減少の助けになるツボです。…
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ベトナムからつわり治療に
今回のよだれつわりの診療録はベトナムにお住まいの妊婦さん。 一時帰国の期間中に当院のつわり鍼灸ケアを集中的に受けたいとのご依頼です。 🇻🇳ベトナムからのメール 現在 妊娠8週目になりますが、よだれつわりに悩んでいます。 ただ今ベトナムに住んでまして、9/21に一時帰国がありその時にお世話になりたいと思います。 10日間ほど大阪に滞在しますので短期集中で治療を受けたいと思っています。 (よだれつわりの)症状は妊娠6週頃から始まり、 日中はもちろん夜中もよだれを吐かないと気持ち悪く、 ゆっくり寝ることもできません。 前回の妊娠時も初期から出産するまでよだれつわりに苦しみました。 現在吐き気はあるものの食事は少量ですがとれてます。 こちらハノイで鍼灸院に通ってみておりますが、 3回の治療を受けて現在のところまだ効果は実感できてません。 毎回あちこち場所を変えて試してくれますが、 (改善しないよだれつわりの症状に)不思議そうです。 なんとか少しでもマシになりたいと思うのですが…。 自分で出来るセルフケア方法や、ハノイの鍼灸の先生に伝えられるヒント等ありましたらお教えいただけないでしょうか? というメールにてのご依頼(途中部分的に省略)。 異国での体調不良、しかも慢性的かつ周囲に理解されない症状はつらいですね・・・。 改善しない症状に対しての「不思議そうです」というメッセージからも想像するばかりです。 さて、帰国、ご来院されるまでに何度かメールでやり取りし、 日本に滞在する期間の治療プランも組み上げました。 治療日数は7回とし、通院可能な日は極力通院してくださることになりました。 海外や遠方からの通院される方には短期集中治療コースがあります。(詳しくはコチラ) また、ベトナムで通っていた鍼灸院への通院も継続してもらいました。 (少しでも早くよだれつわりの症状を改善できるのなら、それが一番です) また、少しでも症状の改善や変化がみられるなら、 当院で鍼灸ケアを行う際のヒントにもなりますからね。 ということで、初診です。 初診の印象は…ずいぶんと疲れている… 初めて脈をみたときの手ごたえは『疲れているなー、しかも脾胃が…(※)』という感想。 他の所見として以下の通りです ・よだれのタイプにはネバネバ・サラサラ・アワアワの3パターン。 ・よだれは起きている間一定量出続け、時間や湿度による増減はない。 ・後鼻漏の症状あり。 ・ノドの詰まり感あり。 ・便秘は1~2週間に1回 ・食べられる物は増えつつあるが、まだ吐き気は健在。 ・水は受け付けず、炭酸飲料(有糖)なら飲める ・ベトナムにいた時は六君子湯を飲んでいた といった状態です。 ※脾胃とは、東洋医学でいう消化器系の機能を言います。 つわり症状で苦しんきた既往歴があるので、 脾胃=消化器系が弱っていることは不思議なことではありません。 しかし、これまでベトナムの鍼灸院で治療を受けてきたということから、 もう少し脾胃の底力が保持されていて欲しかったのです。 (欲ばりですね…) と言いますのも、つわりケアには何段階かの工程が必要です。 と、ここでおなじみ「鍼灸師のためのワンポイント情報」ですが、一般の方にもわかりやすいと思います。 ちょっと目を通してみてください。 鍼灸師のための☝point情報 つわり鍼灸治療に必要な工程 1、安胎 2、脾胃のたて直し…
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よだれが止まり、嬉しくて電話しました!
よだれが朝から晩まで止まらない… よだれつわりの症状に耐えかねて当院に受診された妊婦さん、当時14週の方の鍼灸カルテです。 よだれつわりの症状と脈診腹診所見 2回目の妊娠、よだれつわりは初めて。 5,6週目から水分が摂れず入院、点滴を始めた頃からよだれつわりが始まる。 後鼻漏もあり、痰・鼻水も気になる。 脈診と腹診の所見・・・全体に虚(きょ)の反応が多い。 水分が摂れず入院したほどの経験があるので、このような所見が現れるのも無理はありません。 ※虚(きょ)とは“体質的な弱りや疲れ”の程度が強い状態を言います。 鍼灸師のための☝point情報 つわりの原因体質は基本的に水毒(すいどく)湿痰(しったん)です。 つわりを根本的に治すにはこの水毒・湿痰を取り除く必要があります。 鍼治療でいうと瀉法になります。 しかし妊娠初期の方に瀉法を主軸にした鍼をするのは不安な面もあります。 そこでしっかりと体の元気をたて直す必要があります。 いわゆる先補後瀉という治療方針ですね。 初診の治療と帰宅後のアドバイス 体質的な弱りやお疲れの面が強いため、その回復が必要です。 初診では体力回復の鍼を行うことで、母体と胎児の安全を確保します。 これを安胎(あんたい)効果といいます。 つわり治療をメインにするのは残念ながら次回になります。 少しでも早くつわり治療に入れるよう、自宅灸のツボをお伝えして初診終了としました。 2診目・・ 気になる初診の結果は・・・ 「よだれ症状は変わらず続いている…」とのこと。 初診時の治療方針からすると予測できる結果なのですが… 残念そうな表情をみると、少しでも早く結果を出したいと思うのが治療家の心情です。 そこで2診目からは治療方針を“水毒を減らす鍼”を治療の中心とします。 体質的な弱りはまだ少し残っていますが、自宅でのお灸ケアを続けていただくようお願いして、つわり治療を本格スタートです。 つわり治療と安胎治療の違いは、使うツボ(経穴)や、鍼刺激の強さが違います。少しづつ鍼の刺激を増やし、使うツボの組み合わせを変えてつわり治療を行います。 よだれが止まり、嬉しくて思わず… 治療方針を変えた2診目の翌朝、当院に電話がかかってきました。 「昨日の鍼の後、よだれが止まっていることに気づきました!」 「うれしくて思わず電話してしまいました!」 「よだれつわりの治療って本当に効くんですね(笑)」 と、こちらも嬉しくなるコメントをいただきました。 3診・よだれ症状は一進一退 喜びのお電話をいただいてから1週間…。 あのまま治って欲しいところでしたが、あの感動に反してよだれ症状は一進一退を繰り返していました。 よだれの量は減っているのですが、一旦減ってまた少し増えた…という症状の揺り戻しの状態です。 希望が見えただけに、精神的にガッカリ感が大きいのでしょう。 よだれ症状を減らすためにもう一つアクションが必要だと感じ、食生活を変えてもらうことにしました。 甘いもの断ち。つまり、甘い物の飲食をストップします。 水毒(すいどく)体質は、甘いものを摂取することで増えます。 しかし「つわりがひどいと果汁やジュースなどしか摂れない…」 そんな状況がよく見受けられます。 ですから、鍼治療で一旦 つわり症状を軽減させ、食べられる食品のレパートリーを増やしておくのです。 3診目のつわり鍼灸は、水毒除去をさらに強めて、甘いもの断ちの目標を立てて終了としました。 4診目・甘いもの断ちの効果が… 予定通りよだれつわりは減少しました。後鼻漏の症状・痰・鼻水のお悩みも解除されています。 よだれ症状は完全に無くなったわけではありませんが、 「よだれを吐き出さなくて済むようになりました。」 「(唾液を)飲み込んでも気持ち悪くないです。」…
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つわりは雨の日にひどくなる
つわりの悪化要因 -湿度と気圧- その1は「夕方から夜にかけてつわりが悪化する」でした。 今回はつわりが悪化する条件その2「つわりは雨の日にひどくなる」です。 湿度や気圧の変化で悪化する…そんな現象は臨床上よく見うけられます。 外界の変化に敏感な妊婦さんは、高湿度・低気圧の変化から体調が左右され、つわりが悪化するケースが多いのです。 雨の日や曇りの日、そして台風の日などはつわりがひどくなります。 日常生活に現れる症状 このような湿気に弱い体質の妊婦さんは日常生活では次のような症状として現れるケースが多いです。 「炊きたてのご飯の匂いに気持ち悪くなる。」 「お風呂の湯気で気持ち悪くなる。」 「子どもの体臭(汗の匂いなど)に気持ち悪くなる」 さらに酷(ひど)い症状になると 「唾液・よだれが多量に出て困る。」 「水やお茶も受け付けない。」 …等のお悩みや症状を訴えられる妊婦さんは多いです。 なぜ湿気に左右されるのか? 東洋医学では、湿気は人の体に影響を与えると考えられています。 特に健康に悪影響を及ぼすほどの湿気を湿邪(しつじゃ)と呼びます。悪い湿気という意味ですね。 日本漢方ではこの湿邪を水毒(すいどく)と呼ぶこともあります。(水毒の方が字からイメージしやすいかもしれません) 体内に水毒が多い人ほど、外の湿気に強く影響を受けます。 水毒を多くもつ身体は、これ以上の水の影響を受けることを拒むため、ムカムカ・吐き気・嘔吐・よだれつわりという形で拒否反応を示すのです。 水毒を減らすため母体はがんばっている 水毒によるムカムカ・吐き気・嘔吐・よだれつわりの症状を減らすには、水毒を減らすことです。 水毒を減らすには2通り方法があります 1つは水毒を排出・排除して減らすこと。 2つは水毒を増やさないこと。 「水毒を排除する」「水毒を増やさない」 実はこの2つの方法を実践している母体の働きこそが“つわり”なのです。 吐きつわりや唾液つわりという方法で水毒を体外から排出し、 食欲低下や吐き気という形で、水毒の元となる物を摂取することを防いでいるのです。 実際の生活で水毒を減らす方法については次回の記事で紹介します。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
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つわりが夕方から悪化するのはなぜ?
トータルママサポート鍼灸院の足立です。 今日はつわりの悪化要因「時間」について書いてみます。 つわりが悪化するのは朝?夕方? つわりは英語では「Morning Sickness(モーニング・シックネス)」と言います。 朝起きた時に吐き気や嘔吐が起こることからのネーミングらしいですが、当院に来られる方は「夕方からつわりが悪化する」という方が多いです。 特に夕方5時前後から吐き気やムカムカが増加するという方は多いですね。 そして… 『夕食時に気持ち悪く、食事できない…』 『お風呂も湯気で気持ち悪くなり…』 『夜も気持ち悪くて寝つけない…』 ・・・と、時間の経過とともにつわり症状が悪化していくという方が多いです。 夕方からつわりは悪化するのはなぜ? ここからは東洋医学の話なのですが・・・ 東洋医学では人体と時間はかなり密接な関係にあるとみています。現代医学でいうところの“バイオリズム”です。 私が知っているだけでも…6つ以上のバイオリズムが東洋医学にはあります。 写真は経絡と時間の関係・バイオリズムを示す図。 ※つわり悪化する時間帯とは異なるバイオリズムですが… その6つの中に夕方から夜(15時~21時)になる胃腸の働きが盛んになるというバイオリズムがあります。 通常の人であれば胃腸が活発になればお腹が空きます。そのため“おやつ”や夕食を摂るのですね。 しかし、胃腸の病・症状を持つ人は胃腸の力が活発になることで症状が劇化する場合があります。身体が治そうとして悪いものを追い出そうとするケースです。 つわりが悪化するのはまさにこのケースです。 ですから夕方になると「ムカムカ」「胃のつかえ」「吐き気」「唾液分泌(※)」が活発になるのです。 ※唾液も消化液のひとつです。 胃の暴走を止めることで・・・ このような症状は胃のツボを使って鍼をすることで、症状が緩和することが多いです。 つわりとは消化器系の逆流している状態です。それも活発に起こっている状態です。(なぜ消化器系の逆流が起こるのか?詳しくはコチラ) ですので、鍼灸によるつわりケアでは胃腸のツボを使うことで消化器の逆流を本来の“順の流れ”に戻すことで、ムカムカ・吐き気・嘔吐・唾液過多(よだれつわり)を実際に治しています。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
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V字になっている胎児の逆子ケア診療録
V字になっている逆子の赤ちゃん 問診で得られた情報は以下の通りです。 現在30週、逆子の診断を受けた。 妊婦検診では逆子体操を勧められるも、いまだ効果なし。 胎児はVの字になっている状態とのことであるが、 骨盤に(胎児の)お尻が落ち込んでいるということは言われていない。 お腹の張りや痛みはなし。 臍帯が首に巻きつくこともない。 羊水は少なくなし。胎動もしっかりある。 現在のところ働いており、産休は二週間後に控えている。 職場では足元にヒーターを置き、足首にはカイロをまめに貼っている。 ただ、夏場は素足で冷房で足元を冷やしていたとのこと。 鍼灸師の診立て お腹の張り痛みが無いというのは、ひとつ良い情報ですね。 張り痛みがあると、逆子治療に入る前に腹部の緊張を緩めるケアが必要です。 この方の場合、ひとつ治療工程が減りますので逆子治療に専念できるのです。 他にも良い情報といえば、足元をしっかりと温めているということ。 これも助かりますね。 逆子治療に使うツボは足首から下に多いです。 足元を全体的に温めているということは逆子のツボを温めることに近いのです。 但し、注意を要する情報が2点。 “夏の足の冷え”と“在職中”ということ。 夏場といえば半年前のことですが、意外と冷えというのは隠れて潜伏しているものです。隠れ冷えという状態です。 そして仕事中ということは日々の緊張と疲労が強いことを意味します。 この2点は逆子を治すには不利な条件といえるのです。 しかし、2週間後には産休に入るので、2週間後に逆子を治すチャンスが来るということでもあります。 あと、ひとつ注意するべきことは胎児の姿勢です。 骨盤にお尻がはまり込んでいないとはいえ、胎児がV字になっているとのことなので、 いつ骨盤にはまってもおかしくない状態とも言えます。 私の経験上、骨盤にお尻が入りこんでしまうと治りにくいと思いますので 骨盤にはまる前に逆子を治すよう急がないといけません。 脈診:妊婦さんの脈である滑脈が旺盛。体力は充実している証拠です。 他に腰、骨盤周りに緊張を帯びていることが脈にも出ています。 腹診:赤ちゃんの頭は右上にあり、ちょうど左側腹部に足で蹴っているのだろう胎動が感じられました。 腹部の緊張はそれほど強くなく、良い状態といえますね。 治療はまずお腹に温灸を行いました。 写真は妊婦さんのお腹にお灸をしているところ(本人さんではありません) お腹の温灸は関元(かんげん)というツボを中心とした5カ所のツボ。 このお灸は母体の元気を補い、お産の準備を調えることが目的です。 お産を準備を調えることは安産のための治療だと言えます。安産は逆子の正反対の状態です。つまり安産のためのお灸をするということは逆子を治療するということでもあるのです。 ご自宅でのお灸のツボに目印をつけ、毎日コツコツと逆子灸を続けるようアドバイスして初診の逆子ケアは終了としました。 お灸の刺激で胎児がよく動く 2診目は土日を挟んでの逆子ケアです。 ご自宅でお灸は毎日していただいているとのこと。 「お灸して横になると赤ちゃんがよく動いてくれる」 「今まで以上に活発に動いてくれるので期待できます」 と嬉しいお言葉をいただきました。これはご期待に応えないといけません。 2診目も引き続き、お腹と足のツボに逆子治しのお灸です。 産休前が一番ハード 3診、4診と逆子ケアを終えても、検診で『逆子が治っていない…』という状況が続きました。 というのも、この頃はお仕事が産休に入る前の引継ぎ期間で、心身ともに疲労と緊張のピークでした。 ですので、この時期は逆子ケアの効果が表れにくいタイミングでもあります。 しかし、このハードな時期にこそ逆子ケアでしっかりと疲労と緊張を解除しておくことが大事なタイミングでもあるのです。 産休に入って結果が出る ハードな時期を乗り越えて産休に入った5診目が終わり……