Category: つわり
-

つわりと逆流性食道炎
西洋医学と東洋医学で違う診断名 ノドのつまり・異物感・違和感・不快感などの症状は、逆流性食道炎や咽喉頭異常感症として診断されることがあります。人によっては、痰がからむような異物感とも感じるケースもあります。 しかし東洋医学では梅核気(ばいかくき)として診断でき、鍼灸や漢方の治療対象となります。(詳しくはコチラ) たとえば、漢方薬ですと半夏厚朴湯が処方されることが多いようです。もちろん、半夏厚朴湯だけがノドの異物感に効くのではなく、他にも様々な処方があります。(半夏厚朴湯が効かなかったからといって、漢方は効かない…と悲観的にならない方が良いです) そして鍼灸もまた「ノドの異物感・詰まり」に効果があるのです。 咽喉の詰まりにお役立ちのツボ 治療院や鍼灸師の先生によって違いはありますが、私は内関・足三里といったツボ(経穴)をよく症状改善のために使用します。 内関というツボ(経穴) 内関(ないかん)というツボは、咽喉~胸・心窩部にかけての詰まりを解除してくれるツボです。ですから、つわり(妊娠悪阻)や乗り物酔いにも使用されるツボとして有名です。 内関に関する説明はコチラ「内関・お役立ちのツボ」の記事をどうぞ。 足三里というツボ(経穴) 足三里(あしさんり)は、胃腸のツボとして有名ですが、消化管全体の元気を補い、緊張を緩めてくれるツボです。 足三里がもつツボの効能は実に用途が広く、他にも「食欲低下」「便秘」「慢性疲労」「倦怠感」…などにも使用できます。 公孫というツボ(経穴) 公孫(こうそん)も、足三里と似ており消化器系の症状に有効なツボです。私は逆流性症状にもよく使用しますので、逆流性食道炎だけでなく、つわり(悪心・嘔吐)、咳などの治療にも使用します。 他にも不妊・妊娠中・産後ケアにもよく使う重要なツボのひとつです。 実際の治療ではこの3つのツボだけでなく、他にもいろいろなツボを組み合わせて症状改善の鍼灸を行っています。 ノドに何かが詰まって不快… このノドに何かが詰まる感じは、「気にしない方が良い」と言われても、どうしても気になるものです。手足末梢の症状と違って、首から上は神経が集中しやすい場所ですから、常に意識が集まるのです。 そのため『気にしない…』ということが非常に難しくなります。 加えて、つわり症状に悩む妊婦さんだと、つわり症状と合わさって、余計に不快感・異物感が増強します。つわり症状まで悪化するケースも少なくありません。 また痰がからむ感覚は、後鼻漏の症状を増強させるケースもあります。 ですから、これ以上つわりを悪化させないためにも、漢方薬だけでなく鍼灸も併用させ、少しでも早くつわり症状と関連症状を軽減させる必要があるのです。
-

ベトナムからつわり治療に
今回のよだれつわりの診療録はベトナムにお住まいの妊婦さん。 一時帰国の期間中に当院のつわり鍼灸ケアを集中的に受けたいとのご依頼です。 🇻🇳ベトナムからのメール 現在 妊娠8週目になりますが、よだれつわりに悩んでいます。 ただ今ベトナムに住んでまして、9/21に一時帰国がありその時にお世話になりたいと思います。 10日間ほど大阪に滞在しますので短期集中で治療を受けたいと思っています。 (よだれつわりの)症状は妊娠6週頃から始まり、 日中はもちろん夜中もよだれを吐かないと気持ち悪く、 ゆっくり寝ることもできません。 前回の妊娠時も初期から出産するまでよだれつわりに苦しみました。 現在吐き気はあるものの食事は少量ですがとれてます。 こちらハノイで鍼灸院に通ってみておりますが、 3回の治療を受けて現在のところまだ効果は実感できてません。 毎回あちこち場所を変えて試してくれますが、 (改善しないよだれつわりの症状に)不思議そうです。 なんとか少しでもマシになりたいと思うのですが…。 自分で出来るセルフケア方法や、ハノイの鍼灸の先生に伝えられるヒント等ありましたらお教えいただけないでしょうか? というメールにてのご依頼(途中部分的に省略)。 異国での体調不良、しかも慢性的かつ周囲に理解されない症状はつらいですね・・・。 改善しない症状に対しての「不思議そうです」というメッセージからも想像するばかりです。 さて、帰国、ご来院されるまでに何度かメールでやり取りし、 日本に滞在する期間の治療プランも組み上げました。 治療日数は7回とし、通院可能な日は極力通院してくださることになりました。 海外や遠方からの通院される方には短期集中治療コースがあります。(詳しくはコチラ) また、ベトナムで通っていた鍼灸院への通院も継続してもらいました。 (少しでも早くよだれつわりの症状を改善できるのなら、それが一番です) また、少しでも症状の改善や変化がみられるなら、 当院で鍼灸ケアを行う際のヒントにもなりますからね。 ということで、初診です。 初診の印象は…ずいぶんと疲れている… 初めて脈をみたときの手ごたえは『疲れているなー、しかも脾胃が…(※)』という感想。 他の所見として以下の通りです ・よだれのタイプにはネバネバ・サラサラ・アワアワの3パターン。 ・よだれは起きている間一定量出続け、時間や湿度による増減はない。 ・後鼻漏の症状あり。 ・ノドの詰まり感あり。 ・便秘は1~2週間に1回 ・食べられる物は増えつつあるが、まだ吐き気は健在。 ・水は受け付けず、炭酸飲料(有糖)なら飲める ・ベトナムにいた時は六君子湯を飲んでいた といった状態です。 ※脾胃とは、東洋医学でいう消化器系の機能を言います。 つわり症状で苦しんきた既往歴があるので、 脾胃=消化器系が弱っていることは不思議なことではありません。 しかし、これまでベトナムの鍼灸院で治療を受けてきたということから、 もう少し脾胃の底力が保持されていて欲しかったのです。 (欲ばりですね…) と言いますのも、つわりケアには何段階かの工程が必要です。 と、ここでおなじみ「鍼灸師のためのワンポイント情報」ですが、一般の方にもわかりやすいと思います。 ちょっと目を通してみてください。 鍼灸師のための☝point情報 つわり鍼灸治療に必要な工程 1、安胎 2、脾胃のたて直し…
-

よだれが止まり、嬉しくて電話しました!
よだれが朝から晩まで止まらない… よだれつわりの症状に耐えかねて当院に受診された妊婦さん、当時14週の方の鍼灸カルテです。 よだれつわりの症状と脈診腹診所見 2回目の妊娠、よだれつわりは初めて。 5,6週目から水分が摂れず入院、点滴を始めた頃からよだれつわりが始まる。 後鼻漏もあり、痰・鼻水も気になる。 脈診と腹診の所見・・・全体に虚(きょ)の反応が多い。 水分が摂れず入院したほどの経験があるので、このような所見が現れるのも無理はありません。 ※虚(きょ)とは“体質的な弱りや疲れ”の程度が強い状態を言います。 鍼灸師のための☝point情報 つわりの原因体質は基本的に水毒(すいどく)湿痰(しったん)です。 つわりを根本的に治すにはこの水毒・湿痰を取り除く必要があります。 鍼治療でいうと瀉法になります。 しかし妊娠初期の方に瀉法を主軸にした鍼をするのは不安な面もあります。 そこでしっかりと体の元気をたて直す必要があります。 いわゆる先補後瀉という治療方針ですね。 初診の治療と帰宅後のアドバイス 体質的な弱りやお疲れの面が強いため、その回復が必要です。 初診では体力回復の鍼を行うことで、母体と胎児の安全を確保します。 これを安胎(あんたい)効果といいます。 つわり治療をメインにするのは残念ながら次回になります。 少しでも早くつわり治療に入れるよう、自宅灸のツボをお伝えして初診終了としました。 2診目・・ 気になる初診の結果は・・・ 「よだれ症状は変わらず続いている…」とのこと。 初診時の治療方針からすると予測できる結果なのですが… 残念そうな表情をみると、少しでも早く結果を出したいと思うのが治療家の心情です。 そこで2診目からは治療方針を“水毒を減らす鍼”を治療の中心とします。 体質的な弱りはまだ少し残っていますが、自宅でのお灸ケアを続けていただくようお願いして、つわり治療を本格スタートです。 つわり治療と安胎治療の違いは、使うツボ(経穴)や、鍼刺激の強さが違います。少しづつ鍼の刺激を増やし、使うツボの組み合わせを変えてつわり治療を行います。 よだれが止まり、嬉しくて思わず… 治療方針を変えた2診目の翌朝、当院に電話がかかってきました。 「昨日の鍼の後、よだれが止まっていることに気づきました!」 「うれしくて思わず電話してしまいました!」 「よだれつわりの治療って本当に効くんですね(笑)」 と、こちらも嬉しくなるコメントをいただきました。 3診・よだれ症状は一進一退 喜びのお電話をいただいてから1週間…。 あのまま治って欲しいところでしたが、あの感動に反してよだれ症状は一進一退を繰り返していました。 よだれの量は減っているのですが、一旦減ってまた少し増えた…という症状の揺り戻しの状態です。 希望が見えただけに、精神的にガッカリ感が大きいのでしょう。 よだれ症状を減らすためにもう一つアクションが必要だと感じ、食生活を変えてもらうことにしました。 甘いもの断ち。つまり、甘い物の飲食をストップします。 水毒(すいどく)体質は、甘いものを摂取することで増えます。 しかし「つわりがひどいと果汁やジュースなどしか摂れない…」 そんな状況がよく見受けられます。 ですから、鍼治療で一旦 つわり症状を軽減させ、食べられる食品のレパートリーを増やしておくのです。 3診目のつわり鍼灸は、水毒除去をさらに強めて、甘いもの断ちの目標を立てて終了としました。 4診目・甘いもの断ちの効果が… 予定通りよだれつわりは減少しました。後鼻漏の症状・痰・鼻水のお悩みも解除されています。 よだれ症状は完全に無くなったわけではありませんが、 「よだれを吐き出さなくて済むようになりました。」 「(唾液を)飲み込んでも気持ち悪くないです。」…
-

つわりは雨の日にひどくなる
つわりの悪化要因 -湿度と気圧- その1は「夕方から夜にかけてつわりが悪化する」でした。 今回はつわりが悪化する条件その2「つわりは雨の日にひどくなる」です。 湿度や気圧の変化で悪化する…そんな現象は臨床上よく見うけられます。 外界の変化に敏感な妊婦さんは、高湿度・低気圧の変化から体調が左右され、つわりが悪化するケースが多いのです。 雨の日や曇りの日、そして台風の日などはつわりがひどくなります。 日常生活に現れる症状 このような湿気に弱い体質の妊婦さんは日常生活では次のような症状として現れるケースが多いです。 「炊きたてのご飯の匂いに気持ち悪くなる。」 「お風呂の湯気で気持ち悪くなる。」 「子どもの体臭(汗の匂いなど)に気持ち悪くなる」 さらに酷(ひど)い症状になると 「唾液・よだれが多量に出て困る。」 「水やお茶も受け付けない。」 …等のお悩みや症状を訴えられる妊婦さんは多いです。 なぜ湿気に左右されるのか? 東洋医学では、湿気は人の体に影響を与えると考えられています。 特に健康に悪影響を及ぼすほどの湿気を湿邪(しつじゃ)と呼びます。悪い湿気という意味ですね。 日本漢方ではこの湿邪を水毒(すいどく)と呼ぶこともあります。(水毒の方が字からイメージしやすいかもしれません) 体内に水毒が多い人ほど、外の湿気に強く影響を受けます。 水毒を多くもつ身体は、これ以上の水の影響を受けることを拒むため、ムカムカ・吐き気・嘔吐・よだれつわりという形で拒否反応を示すのです。 水毒を減らすため母体はがんばっている 水毒によるムカムカ・吐き気・嘔吐・よだれつわりの症状を減らすには、水毒を減らすことです。 水毒を減らすには2通り方法があります 1つは水毒を排出・排除して減らすこと。 2つは水毒を増やさないこと。 「水毒を排除する」「水毒を増やさない」 実はこの2つの方法を実践している母体の働きこそが“つわり”なのです。 吐きつわりや唾液つわりという方法で水毒を体外から排出し、 食欲低下や吐き気という形で、水毒の元となる物を摂取することを防いでいるのです。 実際の生活で水毒を減らす方法については次回の記事で紹介します。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
-

つわりが夕方から悪化するのはなぜ?
トータルママサポート鍼灸院の足立です。 今日はつわりの悪化要因「時間」について書いてみます。 つわりが悪化するのは朝?夕方? つわりは英語では「Morning Sickness(モーニング・シックネス)」と言います。 朝起きた時に吐き気や嘔吐が起こることからのネーミングらしいですが、当院に来られる方は「夕方からつわりが悪化する」という方が多いです。 特に夕方5時前後から吐き気やムカムカが増加するという方は多いですね。 そして… 『夕食時に気持ち悪く、食事できない…』 『お風呂も湯気で気持ち悪くなり…』 『夜も気持ち悪くて寝つけない…』 ・・・と、時間の経過とともにつわり症状が悪化していくという方が多いです。 夕方からつわりは悪化するのはなぜ? ここからは東洋医学の話なのですが・・・ 東洋医学では人体と時間はかなり密接な関係にあるとみています。現代医学でいうところの“バイオリズム”です。 私が知っているだけでも…6つ以上のバイオリズムが東洋医学にはあります。 写真は経絡と時間の関係・バイオリズムを示す図。 ※つわり悪化する時間帯とは異なるバイオリズムですが… その6つの中に夕方から夜(15時~21時)になる胃腸の働きが盛んになるというバイオリズムがあります。 通常の人であれば胃腸が活発になればお腹が空きます。そのため“おやつ”や夕食を摂るのですね。 しかし、胃腸の病・症状を持つ人は胃腸の力が活発になることで症状が劇化する場合があります。身体が治そうとして悪いものを追い出そうとするケースです。 つわりが悪化するのはまさにこのケースです。 ですから夕方になると「ムカムカ」「胃のつかえ」「吐き気」「唾液分泌(※)」が活発になるのです。 ※唾液も消化液のひとつです。 胃の暴走を止めることで・・・ このような症状は胃のツボを使って鍼をすることで、症状が緩和することが多いです。 つわりとは消化器系の逆流している状態です。それも活発に起こっている状態です。(なぜ消化器系の逆流が起こるのか?詳しくはコチラ) ですので、鍼灸によるつわりケアでは胃腸のツボを使うことで消化器の逆流を本来の“順の流れ”に戻すことで、ムカムカ・吐き気・嘔吐・唾液過多(よだれつわり)を実際に治しています。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
-

鼻水がノドに流れ込む…後鼻漏
後鼻漏という症状 鼻腔内の鼻水がノドの奥に流れ込んで、痰がからむような状態に悩まされるのが後鼻漏(こうびろう)という症状です。 通常 痰がからむこと自体不快なものですが、鼻水が常に流れ落ちてくるのですから、ノドの不快感はかなり強いものがあります。 東洋医学では、鼻水も痰も水毒体質に属する症状です。水毒をドロドロ水と表現すれば、鼻水や痰は体からドロドロ水を排出している症状だと見れば納得できるかと思います。 つわりと後鼻漏 当院には後鼻漏とつわりの合併症で悩む妊婦さんがよく来られます。後鼻漏とつわりは非常に相性が良い症状です。 なぜなら、つわりも後鼻漏も水毒を原因とする症状です。同じ原因体質をもつ後鼻漏とつわりを同時に発症してしまうケースはよく見られます。 よだれつわりは水毒をよだれ・唾液という形で排出し、後鼻漏は鼻水・痰という形で溢れ出ている状態です。 よだれつわりと後鼻漏の組み合わせは最悪 よだれつわりになると、口腔内は唾液が溢れた状態です。それに加えて、口腔の奥からノドにかけては痰や鼻水が常にたまっている状態になります。 この状態になると常に気持ち悪く、吐き気を催したり嘔吐する頻度が上がります。 (イラスト:後鼻漏は鼻腔からノドに落ち込むが、食道への影響が強い) ノド奥は咽頭ですから、食道上部にあたります。常に食道に異物(痰)がある状態ですので、吐き気や嘔吐の頻度が上がるのもうなづけることです。 後鼻漏の解決法 病院の処方ではムコダインなどのように痰を切りやすくするお薬が処方されることがあります。また、効果がみられない場合は漢方薬を処方されることも多いようです。 しかし、当院ではそのような西洋薬や漢方薬では効果が見られない方に治療することが多いです。 当院の鍼灸ケアでは、西洋薬や漢方薬でも治らないという方にも効果があります。 その理由としては、「なぜこの薬が効かなかったのか?」「この薬が効かないということは…この体質だ!」という分析を東洋医学的に行います。 得意の東洋医学の視点で分析し、診断と治療を行いますので、他の治療法に比べて効果も上がりやすいのだと考えています。 後鼻漏のツボ 当院では東洋医学的な鍼灸ケアによって後鼻漏やつわりの改善・治癒に効果を上げています。 なぜ後鼻漏やつわりに鍼灸が有効なのか? ツボ(経穴)にもいろいろな効能がありますが、水毒に対して効果のあるツボ(経穴)を治療に組み込むことで、後鼻漏やつわり改善に効果的なのです。 また、食道は上部消化管の一部と見なすと、痰(水毒)が上部消化管に居座り続けることも、消化器系の症状の一部とみて、胃のツボを使って消化管の逆流や停滞を改善するツボを用いて治療します。 以上のように、水毒除去・消化器系を調える…などのツボを組み合わせ鍼灸ケアを行うことで、後鼻漏の治療に効果をあげています。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
-

ノドの詰まりと咽喉頭異常感症
ノドつわりと咽喉頭異常感症 ノドの詰まり・異物感・違和感・不快感…などの症状は、妊娠期にも起こりやすく「ノドつわり」と呼ぶ人もいます。これらノドの不快感は、吐き気や嘔吐などつわり症状を悪化させる要因にもなります。 また、この症状はなかなか人に分かってもらいにくく、決定的な治療法が少ないのが問題です。病院ではノドの異物感を咽喉頭異常感症・ヒステリー球として診断されることがあります。 しかし、この咽喉頭異常感症に対する明確な治療法は確立されていないようです。 咽喉頭異常感症に対する処方 対症的に抗アレルギー剤や胃酸分泌を抑えるお薬が処方されるようです。前者の抗アレルギー剤はノドの炎症や痰の分泌が多い場合に、後者の胃酸を抑えるお薬は胸やけや逆流性食道炎の症状を併発している場合に処方されるようです。 しかし咽喉頭異常感症に対しては西洋薬よりも漢方薬の処方が多いようです。漢方処方では半夏厚朴湯という漢方薬が主に処方されています。他にも茯苓飲や小青竜湯などが処方される場合もあります。 半夏厚朴湯は、気滞(ストレスのようなもの)と湿痰・水毒を散らす生薬が多く含まれています。 ストレスなどで気の流れが悪くなり、気と水が停滞してしまうことでノドの詰まり・異物感は起こります。そのため半夏厚朴湯がよく処方されるのです。 しかし、実際には半夏厚朴湯が効かないケースもあります。 半夏厚朴湯が効かない咽喉頭異常感症には… 半夏厚朴湯が有効なのは“気と水が渋滞する体質”です。しかし、実際に半夏厚朴湯が効かないということは、体質の診立てが微妙にずれているということです。 妊婦さんは水毒の停滞が強いため、当院のつわり鍼灸では半夏厚朴湯よりも水毒を減らすツボを多くして治療しています。鍼灸は漢方薬以上に、個々の体質に合わせての調整が得意なのです。 その結果、ノドつわり症状が改善・治癒することは当院ではよく見られる光景です。 「半夏厚朴湯や小青竜湯を飲んで全然効かなかったけど、鍼がよく効きました」 「もっと早く鍼を受けに来たら良かったです」 「同じノドの症状に苦しんでいる妊婦さんたちに教えてあげたいくらいです」 ・・・などなど、このようなコメントをいただくことが多いです。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
-

妊婦のノドの詰まり・不快感を治療する
つわりとノドの症状のダブルの不快感 妊婦さんを不快にさせる症状に「ノドの詰まり感・異物感・違和感」があります。 この症状を訴える人は多く、妊娠中でなくともこの症状に悩む人はいます。 しかし、妊娠初期の症状である“つわり”と併発することが多く、つわりとノドの詰まり感・不快感が互いに悪影響を及ぼしあい、つわり症状をさらに悪化させる傾向が見られます。ですので最近では“喉つわり”と呼ぶ人もいるようです。 当院にはこのような喉つわりの症状を改善したいという妊婦さんも多く来院しています。 具体的な症状・訴えとしては… 当院に来院される妊婦さんの訴えで多いのは次のようなお悩みです。 ノドに痰がからんで取れない ノドの奥に何かがつっかえる感じ 痰を出しても出しても無くならない… ノドの不快感が、吐き気や嘔吐を刺激する 痰を出すと、嘔吐につながる 無理して痰を出し続けるとノドの乾燥が強くなる 鼻の奥から鼻水が落ち込んでノドの痰とからむ 最終的につわりや後鼻漏などの症状と連動しやすいのがこの症状の特徴です。 東洋医学ではこうみる! 喉つわりのようにノドが詰まり感・異物感のような症状を、中国医学では“梅核気(ばいかくき)”と呼んでいます。 梅核気とは「“梅”の“核(タネ)”のようなモノが詰まっている“気”がする症状」という意味です。ですから、検査をしても何も異常はみられず、ひと昔前なら文字通り「気のせいでしょう。」と病院で診断されていた症状のひとつです。 しかし、中国医学では梅核気というしっかりと病名があります。病名があるということは治療法もあるということです。 実際には梅核気に対する漢方薬や鍼灸による治療は有効です。 鍼灸ケアによる効き目は良好 梅核気には特に鍼灸が有効なように感じます。 というのも「病院で漢方薬を処方されたけどノドの症状が治らなかった…」という方がよく来られます。 そして当院の鍼灸を受けた結果…ほぼ全ての妊婦さんが、喉つわりも他のつわり症状も改善・治癒していきます。 【内関のツボはノドの詰まりだけでなく各種つわりによく使うツボである】 ちなみに、ノド症状の多くは「逆流性食道炎」や「咽喉頭異常感症」として診断を受け、処方される漢方薬の多くは半夏厚朴湯のことが多いです。 当院の診立てですと、半夏厚朴湯はノドの詰まりに有効ではありますが、つわり体質の影響が強すぎて、漢方薬単体では効果が出し切れていないようにも感じます。 ですので、ノドとつわり体質の両方から改善するツボ(経穴)を駆使して鍼灸ケアを行うと、ノドの症状・つわり症状ともに改善・治癒しているのだと考えています。 当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は 電話予約はコチラ0721-53-6330 メール予約はコチラ
-

産後も続く唾液つわりの診療録
つわりというと妊娠初期だけの症状と思いがちですが、実はそうではありません。 つわりの症状や体質が強すぎる方は、出産ギリギリまでつわりが続くケースや、産後もつわりが続くケースがあるのです。 当院にも年に何人かそのような方が来院されます。今回の記事はそのような産後もつわりが治らない方の診療録の紹介です。 つわりに関する問診所見 現在、産後1年7か月。 妊娠中は出産ギリギリまで唾液つわりが続いていた。 出産が終わり、ようやくつわりが終わるかと思いきや現在も続いている。 唾液は夕方に量が増してくる。夕食後に減ってくる。 産前に比べると症状は軽いかもしれないが、一向に治まらないつわりに精神的に疲れている。 口の粘り・舌縁部の痺れ感じ 産後は口内炎ができやすくなった ノドの詰まり感 食欲がなく、吐き気もあり、胃もたれ、胸やけもある。 嘔吐もまだ1日一回は吐いている。 便は2日に一回、尿は1日に三回 手足の冷えも強い。 …などなどの体調も併せて持っています。 妊娠期に漢方薬を処方され、半夏厚朴湯、当帰芍薬散、茯苓飲を服用したが、どれも無効であった。 出産時は胎盤の剥離がうまくいかず、出血過多⇒輸血を受けた。 ◆脈診をしてみましょう… 脈は浮軟沈弱。左右関上の内外に実。 腹診もみます 心窩部~胃脘部にかけて実。 臍下の虚・弱り 鍼灸師の診立て 脈診・腹診の反応から、消化器系(脾胃)の水毒の停滞が強く、排出すべき水が多くあることが分かります。 その反面、つわり生活が長期間続いたことによる疲れもあり、体質的な弱り(虚)もしっかり出ています。 もちろん産後という状態からも、体質的な弱り・虚は無視できません。 産後は無条件でお疲れ体質だと思って良いでしょう。 治療としては、消化器系(脾胃)の力を補給・底上げすることを最優先とします。 そして唾液つわりの本体である水毒を体外に追い出すことを治療の後半に行います。 この2点を大きな治療方針とします。また甘い物は飲食ともに節制してもらいます。 甘い物は水毒の元になるからです ご自宅でしてもらうお灸のツボなどをお伝えして初診の治療は終了とします。 しばらくは週1回の通院とします。 2診目は一週間後、唾液の量は変化するか? 「この2日間、よだれの量が減った気がする!」 「口中の粘り感も減っている。」とのこと。 なかなか良い反応です。 しかし、夕方のつわり症状悪化の傾向はまだ残っており、 他にも舌縁部の痺れも残っているとのことです。 ◆脈診と腹診を行います… 脈証:浮弦沈弱 腹証:心窩部の詰まりは減り、胃脘部の実・詰まりが残る。 左側腹部の張りがある。…と、このような所見です。 鍼灸師の診立て 脈診・腹診所見が初診時に比べて変わってきました。 わずかな変化に見えるかもしれませんが、体質的な弱りが改善されつつあります。つまり体力が回復し、底力・回復力がついてきたと判断できるのです。 となると、水毒を追い出す力も増してきているとみることができます。 自覚症状でも、唾液量が減っているとの実感もあるようです。 妊娠中ではないということも体質的な安定を意味しますので、治療効果が出やすいという有利な面があります。 以上のこともあって、水毒を排出する治療を初診ときより積極的に行います。 3診目「よだれが減りました!」 「よだれが減りました!」との報告を受けました。 今思い出しても、この時の笑顔は忘れらないですね。…
-

よだれつわりと吐きつわりの診療録
2年ほど前のよだれつわりと吐きつわり 2つのつわりに苦しむ妊婦さんの症例を紹介します。 この方は大阪府貝塚市在住の2児のお母さん(そして現在、妊娠10週目)。 一週間で4㎏の体重減少と、治療開始時はかなり消耗が激しかったですが、 嘔吐減少、吐きつわりの改善、尿量増加、よだれつわりの改善…と、 段階を踏んで体質改善と症状消失に結び付けることができたケースです。 お問合せは次のようなメールから 今回3人目、4回目の妊娠です。 過去三回の妊娠よだれ悪阻と妊娠後期まで吐きつわりに悩まされました。 家ではゴミ箱を抱えて生活しました。 そして今回6週に入るところで、よだれ悪阻がはじまってしまいました。 4歳、2歳の子守をしながらのよだれは辛すぎます。 まだ病院にもいっておらず、(8週に入ってから行こうと思っています) 早めに治療すれば早めによだれは治るのでしょうか? 贅沢を言えば、8週から12週にくる酷いつわりを避けたのですが…。 早めの治療が効果的なのであれば、すぐにでもそちらを受診したいです。 宜しくお願いします。 初診カルテ・固形物は口にできない… 11月24日 主訴:よだれつわり、吐きつわり(妊娠10週目) 【問診情報】 病院で点滴を受けるが、つわり症状は一向に治まらず。 このつわり症状を何とかしてほしい…との依頼。 口にできるものは限られている。 固形物は基本的に無理で、果汁、水分…といったところ。 他の飲食物は一切 受け付けられない。 飲まず食わずのため、この1週間で4㎏減少。 そんな状態なのに唾液は過剰に分泌される。 唾液を吐き出すため、ノドは乾燥してしまう。 鍼灸師の診立て 写真は脈診風景のイメージ写真です ■脈診…右寸口に滑脉、他の部位は沈位細 ■腹証…心窩部の詰まり、臍下の弱さが気になる所見 脈診・腹診から上半身に水と熱が詰まってしまっている状態がわかります。 さらに水と熱とが逆流しようとするので、よだれつわりと吐きつわりがダブルで現れてしまうのです。 また、臍下(下腹部)の所見から、母体の弱り・消耗が判断できます。 つわり治療よりも先に母体の元気を補充しなければいけません。 でないと、つわり治療の効果が表れにくいどころか、 母体の体力が持たない状況になってしまう可能性があるのです。 ◆治療方針 1、安胎 2、脾胃の弱りをたてなおす 写真:妊婦さんのお腹に温灸治療 母体の消耗が激しいため、いきなり強いつわり治療はできません。また妊娠10週という初期の段階でもありますので、まずは赤ちゃん(胎児)の安全を最優先とするため、安胎効果のあるツボ(経穴)に施術します。 次に消化器系の力を増すために、弱ってしまった脾胃(消化器系)を建てなおす治療を行います。上写真のような温灸を腹部に行います。 吐き気・嘔吐が起こるということは脾胃(胃腸・消化管)が常に逆流を起こしている状態です。その逆流を鎮めて、胃腸の力を正常に戻す治療を行います。 (脈診腹診問診などに15分、治療時間に40分を要した。) 2診目 11月27日 初診と同様の治療を行う。 2診目からは、診察に10分、治療に50分とし、 置鍼(ウトウトしながら鍼を受ける)を織り交ぜて、 とにかく安静に休んでいただき、少しでも体力の回復を進める治療をとしました。…