V字になっている胎児の逆子ケア診療録

V字になっている逆子の赤ちゃん

問診で得られた情報は以下の通りです。


現在30週、逆子の診断を受けた。
妊婦検診では逆子体操を勧められるも、いまだ効果なし。
胎児はVの字になっている状態とのことであるが、
骨盤に(胎児の)お尻が落ち込んでいるということは言われていない。

お腹の張りや痛みはなし。
臍帯が首に巻きつくこともない。

羊水は少なくなし。胎動もしっかりある。

現在のところ働いており、産休は二週間後に控えている。

職場では足元にヒーターを置き、足首にはカイロをまめに貼っている。
ただ、夏場は素足で冷房で足元を冷やしていたとのこと。

鍼灸師の診立て

お腹の張り痛みが無いというのは、ひとつ良い情報ですね。
張り痛みがあると、逆子治療に入る前に腹部の緊張を緩めるケアが必要です。

この方の場合、ひとつ治療工程が減りますので逆子治療に専念できるのです。

他にも良い情報といえば、足元をしっかりと温めているということ。
これも助かりますね。

逆子治療に使うツボは足首から下に多いです。
足元を全体的に温めているということは逆子のツボを温めることに近いのです。

但し、注意を要する情報が2点。

“夏の足の冷え”と“在職中”ということ。

夏場といえば半年前のことですが、意外と冷えというのは隠れて潜伏しているものです。隠れ冷えという状態です。

そして仕事中ということは日々の緊張と疲労が強いことを意味します。

この2点は逆子を治すには不利な条件といえるのです。
しかし、2週間後には産休に入るので、2週間後に逆子を治すチャンスが来るということでもあります。

あと、ひとつ注意するべきことは胎児の姿勢です。
骨盤にお尻がはまり込んでいないとはいえ、胎児がV字になっているとのことなので、
いつ骨盤にはまってもおかしくない状態とも言えます。

私の経験上、骨盤にお尻が入りこんでしまうと治りにくいと思いますので
骨盤にはまる前に逆子を治すよう急がないといけません。

脈診:妊婦さんの脈である滑脈が旺盛。体力は充実している証拠です。
他に腰、骨盤周りに緊張を帯びていることが脈にも出ています。

腹診:赤ちゃんの頭は右上にあり、ちょうど左側腹部に足で蹴っているのだろう胎動が感じられました。
腹部の緊張はそれほど強くなく、良い状態といえますね。

治療はまずお腹に温灸を行いました。
写真は妊婦さんのお腹にお灸をしているところ(本人さんではありません)

お腹の温灸は関元(かんげん)というツボを中心とした5カ所のツボ。
このお灸は母体の元気を補い、お産の準備を調えることが目的です。

お産を準備を調えることは安産のための治療だと言えます。安産は逆子の正反対の状態です。つまり安産のためのお灸をするということは逆子を治療するということでもあるのです。

ご自宅でのお灸のツボに目印をつけ、毎日コツコツと逆子灸を続けるようアドバイスして初診の逆子ケアは終了としました。

お灸の刺激で胎児がよく動く

2診目は土日を挟んでの逆子ケアです。

ご自宅でお灸は毎日していただいているとのこと。

「お灸して横になると赤ちゃんがよく動いてくれる」
「今まで以上に活発に動いてくれるので期待できます」

と嬉しいお言葉をいただきました。これはご期待に応えないといけません。
2診目も引き続き、お腹と足のツボに逆子治しのお灸です。

産休前が一番ハード

3診、4診と逆子ケアを終えても、検診で『逆子が治っていない…』という状況が続きました。

というのも、この頃はお仕事が産休に入る前の引継ぎ期間で、心身ともに疲労と緊張のピークでした。

ですので、この時期は逆子ケアの効果が表れにくいタイミングでもあります。

しかし、このハードな時期にこそ逆子ケアでしっかりと疲労と緊張を解除しておくことが大事なタイミングでもあるのです。

産休に入って結果が出る

ハードな時期を乗り越えて産休に入った5診目が終わり…

お電話で「検診に行ったら逆子が治ってました!!」と、嬉しい報告をいただきました。

「これでやっとゆっくりとマタニティライフを楽しめます!」
との言葉が印象的でしたね。

とはいえ、油断は禁物なので、ご自宅での安産灸は続けてもらうようお願いして、当院のプレママ鍼灸ケアは卒業となりました。

今頃はお産から数か月も経ち、首も座っている頃でしょうね。
もちろん育児の疲れもあるでしょうが、このママさんなら育児を心から楽しんでおられることだと思います。

当院の東洋医学的・逆子ケアを希望される方は

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