Tag: 足立鍼灸治療院

  • 足立鍼灸治療院の沿革

    足立鍼灸治療院の沿革

    足立鍼灸治療院は家族の歴史とともに… 2001年にスタートした当院は、今年で24年を迎えます。そしてこの鍼灸院は私たちの経験をもとにして作り上げてきた歴史があります。 私たちには3人の子どもたちがいます。 その子どもたちの妊娠~出産~育児の経験を、診療に活かしてママサポート鍼灸に力を注いできました。 写真:当院のマタニティ鍼灸を経て生まれた赤ちゃん 妊娠期のマイナートラブルとして、吐きづわり・よだれづわり・むずむず脚症候群・逆子ケア…など。 産後ケアとしては、産後の不調、育児疲れ、乳腺炎、母乳不足、自律神経失調症、メニエール、産後のPMS…などなど。 東洋医学の婦人科を研究することで、女性の周期を理解し、現代医学とは異なるアプローチによって、産前産後の鍼灸ケアを行うことができます。 また、育児の経験を経て小児はりの腕を磨きました。 子どもの夜泣き・かんのむしだけでなく・発育不良・発熱・咳・鼻水・アレルギー疾患・チック症・起立性調節障害…など。 そして実際の臨床においても、小児はりは多くの子どもたちの心身を調えることができることが、身をもって体験しました。 癌の治療にも鍼灸の効果が そして現在は、ママサポート鍼灸や小児はりの枠を超え、鍼灸ケアの幅を広げています。 2018年4月から、大阪大学附属病院・総合診療内科の漢方鍼灸外来にて、週一回の鍼治療を行っています。 そこでは癌疾患、自己免疫性疾患を主とする難治性疾患に対して、漢方と鍼灸の併用治療の効果について研究しています。 この癌治療における鍼灸の役割りを考える日々は、私にとっても大きな体験となりました。 たとえば外科治療の後遺症、抗癌剤や分子標的薬の副作用などに対する鍼灸の効果はたしかにあります。また自己免疫疾患における炎症・疼痛だけでなく、全身的なコンディションを向上させることも実現しています。 写真:大阪大学医学部附属病院での職場風景 これらの効果については、多くの患者さんからの言葉で、鍼灸治療の有効性を伝えていただいたことは、より確かな自信となりました。 親子三代にわたる健康サポートへ そして自身の父母、義父母への治療を通じ、加齢とともに変わってゆく体質の変化、それに応じた治療への理解も年々深まっています。 その成果もあり、「お子さん」「お母さんとお父さん」そして「おばあちゃんとおじいちゃん」の“親子三世代”で通院してくれるご家族が増えています。中には「ひいおばあちゃん(曾祖母)」の治療も担当させていただき“親子四代”で通院してくれるご家族もおられます。 親子三代にわたる健康サポート このように、すべての経験を治療に活かし、子どもからお年寄りまで、親子三代にわたる健康サポートを提供できることが当院の大きな特徴です。

  • 脳出血後の半身まひの鍼灸治療カルテ

    脳出血後の半身まひの鍼灸治療カルテ

    脳内出血後の片麻痺 今回の症例は70歳代の女性の方。 脳内出血の後遺症で右半身麻痺(片麻痺)となってしまった女性の鍼灸治療です。 初診問診で感じた尊敬の念 初めて来院されたのは2020年の8月のこと。今から4年ほど前のことです。 この症状の発端となった脳内出血は2020年春のこと。病院で意識を取り戻したときには右上肢の感覚を失っていたそうです。4カ月間の入院中、感覚が無い上に、さらに右半身全体に痺れが強くなったそうです。 右半身麻痺のほかにも… ・右足裏・右腰背部に重い何かが詰まるような感じで苦しい。 ・足裏は立つとき、歩くときに、皮膚の裏になにか挟まっているような異物感・不快感。 ・右足の指が勝手に動き出す(不随意運動) …という、自分の体なのに、感覚とは全く違い現状に戸惑い不安になっているご様子。 問診中に『この人は偉いな~、強い方だな~…』と思ったことがあります。 このようなツラい状況の中でも、言葉遣いが丁寧で穏やか、お人柄もものすごく柔らかいのです。 よほどの内面が強くないと、このような態度で人と接することは難しいものです。 柔和な表情や言葉づかいで現在の状況を伝えてくれる姿勢に、自然と敬意を覚えたものです。 初診以来、コツコツと通院を継続してくれ、日々に感じられる身体の改善・症状の軽減を伝えてくれました。 東洋医学でみる半身麻痺の体質と治療効果 この方の症状には次のような特徴があります。 ・気温の影響を受けて悪化する ・湿度の影響を受けて悪化する ・症状悪化により精神的な不安を伴う 「精神的な不安が伴う」とは書きましたが、この方には持ち前の“芯の強さ”があります。 一時的な症状悪化に直面しても、そのつど身体症状の変化の理由を丁寧に説明すると、落ち着いて聴いてくださり笑顔を見せてくれました。 もちろん、鍼灸治療でも相応の効果を示しています。 ・鍼灸治療で右半身の重く詰まった感じは軽減する ・頭が詰まった感じも治療後はとれる ・右半身全体の強ばりもゆるむ 以上の変化を実感しているからこそ、コツコツと通院してくださっているのだと思います。 鍼灸師のためのワンポイント情報 この方の病態を次のようにとらえています。 麻痺により、右半身における氣血の巡りが極端に低下。 そのため右半身全体の陽虚が顕著となり、湿痰の蓄積、外寒・外湿の影響を受けやすい状態となっている。 また寒邪は体を強ばらせ、湿邪は重く滞る性質をもつ。この寒湿のため、体が強ばり重く動作困難となり、半身麻痺が悪化したように感じる。 しかし、鍼灸治療で陽気を巡らせ、寒湿を取り除くことで、身体は柔らかさを取り戻し、重さは減り、動きやすくなる。 大きな治療方針としては、補気補血に祛湿行氣を加える。 陰経に補血(足太陰が主)、陽経に行気(手足陽明少陽が主)。 祛湿には主に陽明胃経を使います。 背部では右側の胆脾胃三焦兪に湿邪留滞の膨隆が見られるため、その部位を中心に祛湿・行気を鍼灸にて行います。 しかし、鍼治療後は心身ともに軽くなるのですが、日数を空けると症状が戻ってくる…といった状態が続いたのも事実です。 それでもこの方は私の治療を信じて通ってくれています。その姿を見るたびに『もっと良くなるように鍼をお灸を!』と思ったものです。 心動かされた言葉! 最も直近で心を動かされたのは、2024年の最初の治療のときでした。 今年初の会話が「先生、わたし箱根駅伝をみて感動しました。私もマラソンできるように走れるようになりたいです!」との言葉でした。 昔のようには歩けない状態で「走れるようになりたい」という言葉は、普通の人からすると「なにを無理なことを…」「まずはちゃんと歩けるようになってからね」などと思うかもしれません。 でもそのとき私はN山さんの言葉に素直に感動したのです。 『嗚呼、この人はまだまだ諦めずに上を目指しているんだな~』 『さらに良くなる時がくるぞ』と。 なので、素直に応援できましたね。 「N山さん、走ろうと思ったら、足の回復だけじゃない。腕の振りも大事です。今日から腕も振ってみようか!」と、上の目標に向けて盛り上がったことを今でも覚えています。 大きく変化をみせたのは2024年の春 そんな中、この春に大きな変化がありました。 2024年、4月某日の治療で私の顔を見るなり 「先生、私の脚が軽いんです!」と明るい声で報告してくれたのです。 にわかに信じられなかったのですが、運動困難であった右下肢をひょいひょいと挙げて見せてくれるのです。 「もう右脚が先に先にと動くんで、左脚がビックリするくらいです」と、コロコロ笑う姿に、私の方が癒される思いでした。…

  • 麦の収穫を終えました!

    麦の収穫を終えました!

    当院の玄関前にて昨年の晩秋から育ててきた大麦。ようやくこのたび収獲しました! 写真:大麦を収穫して破顔一笑!のインチョー足立(2024.05.11 撮影) 2021年に“田んぼごっこ”を始めて、去年で3回目の稲作。 でも麦作りは今回が初めてでした。小麦と大麦の違いも分からないまま、手探りの状態でネット情報を集めながらのスタートでしたが、なんとか収獲できたのはうれしかったですね。 なぜ毎年、お米・麦を育てるのか?とよく聞かれるのですが なんとなく…なのですが、稲穂や麦穂のような作物って、成長が感じられるのですね。 小さな苗から見守り、スクスクと育っていき、花を咲かせ、穂を実らせて、その稲穂・麦穂が鮮やかな緑から黄金色に色づいていく…。その過程を見守ることで、なぜか元気をもらうような気がするのです。 写真:緑色が鮮やかな若穂が出てきたころの写真。雄蕊がみえているので、実はこれは麦の花(2024.04.05 撮影) 写真:若々しい麦穂が揃いました。(2024.04.05 撮影) 写真:黄金色に実り始めた麦穂(2024.05.06 撮影) 写真:黄金色に実った大麦の穂。収穫直前の姿。(2024.05.11 撮影) 元気をもらうのは私だけではありません。患者さんたちも元気をもらっているような気がするのです。 「先生、田植えしたんですね。」 「苗が育ってきましたね」 「今年は穂が大きいですね」 「そろそろ稲刈りですね」 「あのお米、もう食べました?」 「あれは麦の苗ですか?」 「私、麦って初めてみました」 「小麦と大麦、どう違うんですか?」 などなど、会話の端々に興味と好奇心と、作物に対する親心のような見守る気持ちが感じられるのです。 『やはり、日本人のDNAがお米に対して…』なんて、軽々しいセリフではなく、親心のようなものでしょうか。また“穂”というのは生命力を表わすような気がします。 治療に受けに来られる患者さんの来院前と後に視界の端っこで、ちょこっと元気を分けてもらえるような存在になれば…と思い、田んぼごっこを続けております。 足立鍼灸治療院 足立繁久  

  • 初めての親離れ…

    初めての親離れ…

    昨日は和歌山県の白浜に行ってきました。 白浜といえば南紀白浜アドベンチャーワールド!が思い浮かべます。でも昨日の白浜行きの目的は観光ではなくて、お引越し。 実は、長男の勤務先が白浜になったので、社員寮にお引越しなのでした。 (社員寮には生活できる環境が完備されていて本当に助かりました!) それにしても、22年間ずっと実家住まいだった長男。 ご飯も炊いた事なくて、お米をとぐのもぎこちないようすでした。 色々と細かなことまで心配になります。一人暮らし用の家具を運び入れ、部屋を掃除して、冷蔵庫・冷凍庫の中の食料をそろえて…ひと通りの引っ越し作業を終えて、大阪に戻ろうとしたとき。後ろを振り返ると、長男がひとり立ってこちらを見送ってくれているのですが、その姿をみて思わず泣いてしまいました。 写真:私を見送る長男、このとき私には“捨てられた子犬”のようにみえた 初めての子どもで、うまくいかない育児、マネしてほしくないところばかり似てくる長男に何度も衝突したものですが、唐突に親離れの瞬間に遭遇すると、やっぱり寂しいのひと言です。 ちなみに、私たちが自宅に着いた時に、長男から「ごはん炊けた」とひと言LINEが! 今でもたま~~~に連絡がありますが、この前は卵スープと麻婆豆腐を作ったそうです。でも仕事が忙しくなると、自炊もできなくなるんだろうな…と、やっぱり色々と心配は尽きませんね。 普段の診療でも、来院される皆さんにこんな私の寂しい想いを聴いてもらっています。 受付担当 足立百江

  • 足立鍼灸治療院に海外研修生が!from スイス

    足立鍼灸治療院に海外研修生が!from スイス

    小児はり学会会長の井上先生から、スイスから来た助産師さんに日本の小児はりをレクチャーしてほしい…とのご依頼をいただきました。井上先生とのご縁は、去年(2023年)秋に日本伝統鍼灸学会の発表の際に座長を担当していただいた先生です。(『日本伝統鍼灸学会で「ママサポート鍼灸」を発表してきました』の記事を参照のこと) 『日本の小児はりを学びたい!』という熱い想いを抱き、スイスから海を越えて日本に来られる助産師さん、その名をChantal(シャンタル)先生といいます。すでにスイスにて中医学を学んでいるとのこと。 当院にて半日、小児はりの理論紹介と実技指導を行いました。実際に小児用の鍼道具のいくつかを手に取って、通訳の先生や井上先生相手に実技練習。 写真:シャンタル先生が手にしているのは調氣鍼。手足や背中にもしますが、頭髪にするのもよく効きます。 シャンタル先生は助産師さんですので、おそらくは新生児や乳児といった生後間もない頃のお子さんを診る機会が多いだろうと、その状況に適した技術指導を心掛けました。 シャンタル先生の熱心さにうたれて、当初の予定を超えて約3時間、みっちり指導レクチャーさせていただきました。 通訳のH先生を介して、次のようなメールをいただきました。 本日はお忙しい中、貴重なご講義を誠にありがとうございました。 Chantalさんは本当に喜んでいらっしゃいました。 理論と実技、丁寧なご指導、と本当に勉強になった。と帰りの電車の中でおっしゃておりました。ぜひ、スイスに帰っても忘れないように、継続して先生から教わったことを実践していきたいとの事です。 合間にお茶の時間も設けていただき、和やかな雰囲気で質問や雑談もできましたこと、非常に有益な一日となったようです。奥様にも細やかなお気遣いを賜り、感謝いたします。 通訳という立場ではありましたが、私自身も沢山の学びがありました。 また紹介してくれた小児はり学会の井上先生からも嬉しいメールをいただきました。 昨日はChantalさんに長時間の講義と実技指導を有難うございました。 彼女は先生の実技に感銘を受けたようで、さっそく鍼道具を購入することになりました。 私は先生の治療室で、実技の患者役として治療を受けたおかげで、疲れがすっかり取れました。 足立先生の講義と実技指導は深く、それでいてとてもわかりやすく、感銘を受けました。有難うございました。心より感謝申し上げます。 スイスでも小児はりが広まると嬉しいですね。 写真:右から小児はり学会会長の井上悦子先生、Chantal先生、足立夫妻。 講座の終了後は皆さんで記念撮影。シャンタル先生のスイスでの小児はり実践とご活躍を約束してお別れとなりました。 私が思っている以上に、海外の人たちは日本の鍼灸に熱い視線を送っているようです。足立鍼灸治療院に海外研修生が来られるのも、これで二度目。前回は2019年のときでした。(『足立鍼灸治療院に海外研修生が!from USA』の記事をご覧ください) そして、そのような方々は学ぶ意欲・情熱が素晴らしいのです。日本人鍼灸師も負けていられませんね! 院長 足立繁久

  • 吐き気を伴う眩暈(めまい)の鍼灸カルテ

    吐き気を伴う眩暈(めまい)の鍼灸カルテ

    この春に多い?眩暈(めまい) 先日、眩暈の鍼灸カルテを紹介しました。この春は例年よりも体調を崩される方が多く感じます。その中でも眩暈は多くみられる症状のように感じています。 そんな中、今度はわたしの母親(同居中)が突然に眩暈(めまい)を発症しました。もちろん、すぐさま鍼灸で対応したわけですが、そのときの鍼灸カルテを紹介します。 実は私の母は眩暈(めまい)を起こしやすい体質を持っているため、私が大阪に帰ってきた時分は何度も眩暈(めまい)を起こしていました。いわゆるメニエール病の診断を受けていたようです。 最も記憶に残る眩暈(めまい)では、兄の結婚式当日の朝に眩暈を起こしたこともありました。すぐさま応急処置的に鍼して、その日は無事に事なきを終えましたが…(おそらく、母本人はそのことを忘れているハズ) それからも繰り返し眩暈を起こし、そのたびに鍼とお灸で対処してきました。そのせいか、この10数年は母が眩暈(めまい)を起こすこともなくなり、私にとっても眩暈(めまい)は得意な疾患の一つとなっています。  さて眩暈の鍼灸カルテといきましょう。 鍼灸カルテ・眩暈 2024.04 主訴:めまい 発症時刻は4月3日 AM6:00くらい 朝起きるなり、突然の眩暈(めまい)に襲われた。 また、眩暈とともに吐き気を伴う。寝返りしても眩暈が起こるので、ただただ目を閉じて、布団の中でジッとする。(目を閉じても眩暈・吐き気はしばらく続く) 眩暈がおさまるまで目を閉じて床に臥せる…のイラスト 父からの報告を受け、家庭内往診。すぐに寝床にて治療を始めます。まずは脈を診ます ◇脈診情報 沈んだ脈で極めて弱い脈 また、その弱い脈の中にも小さな滑脈がみられる。 そして意外なことに、脈位(寸関尺)の差異はみられない。 症状の特徴、脈診情報、そして普段の母の体質から…次のような治療方針をたてます。 ◇治療方針 ①…中氣を補い、膈を開く(補中・利膈) ②補脾胃によって①を補助。かつ利水祛湿 ③宿(腎虚)に対する補裏気および納氣 治療はお灸からはじめ、次に鍼治療です。 使用した経穴は、中脘・関元・鳩尾・足三里・陰陵泉・太谿……など(他は門外秘)です。 この治療によって寝返りが可能となります。 眩暈(めまい)に対する鍼灸は、このように効果がすぐに現れるケースがしばしばあります(もちろん個人差・体質差はあります)。眩暈のように「突然に発症し、何をしてもツラい…!!状態を速やかに解除できる」というのは鍼灸ならではの長所だと思います。 寝返りができるようになったので、次は伏臥位(うつ伏せ)にて背部治療を加えて、さらに症状の軽減を狙います。 一連の治療によって、起床可能・起き上がることもできるようになりました。 とはいっても、しばらくは要安静であること。そして排尿頻度が増えることを伝えておきます(利水の治療をしたので、尿の回数が増えるのです)。 2診目は二日後の4月5日 (※4/4は大学病院勤務の日で、半日は留守にしていたのです…と言い訳) 主訴:眩暈(めまい)はほぼ消失。フワフワ感じが少し残るくらい。 経過は良好のようで、軽い食事も摂れている。 起き上がり、二階まで歩いて上るなど、屋内や近所までの近距離歩行なら問題ないとのこと。 また初診の鍼治療の後は、やはり尿がよく出たとのこと。 ◇脈診情報 全体的に沈んだ脈は変わらずだが、緩脈が入ってきて、滑脈もみられる。 両関上脈は弱脈が残る(左<右) 寸口脈にも弱脈が残る。 関上と尺中の一部に緩脈がみられる この脈診の情報が、初診時と2診目で大きく変化している点がポイントなのです。 脈診所見は初診時と大きく変化しているとはいえ、これは良い変化であり、想定内のこと。ですので、治療方針は前回と同じでいきます。 一連の治療によって、フワフワ感も消失。 眼の力も増し、目に輝きが出る。 (いわゆる目ヂカラです。この目の力の有る無しって意外と大事な所見です) 治療後の脈診所見は、母の通常脈に戻る。 以上をもって、眩暈の急性期を脱したとみなし、通常の養生期に入ります。普段から親孝行の鍼お灸をしなさい!ということでしょうね。 院長 足立繁久

  • 眩暈(めまい・頭重感)の鍼灸カルテ

    眩暈(めまい・頭重感)の鍼灸カルテ

    春に多くみられる眩暈(めまい) 今年の春は眩暈(めまい)を訴える患者さんが多いように感じます。 春季は五行でいうと「木」に属します。また五臓では「肝」に相当します。そして「木」とは「伸びる」「上昇する」といった性質を持ちます。 イラスト:五行の木・火・土・金・水 そのため「春」になると、冬の間に沈滞していた気を一気に上昇させて、春の陽気を活性化させるのです。人体の臓腑では「肝・胆」という器官に属しますが、やはり「上昇」させる性質を持ちます。 この「上昇」が一気に起こることで「眩暈(めまい)」の他にも「頭痛」「目痛」「耳鳴り」などの上部における体調不良がみられるのです。 気候の変化も不安定となる春先、それに影響を受けて人体のコンディションも不安定となるのです。いわゆる季節の変わり目にみられる体調不良・不定愁訴です。病院によっては“自律神経失調症”と診断を受けることもあります。 先日(3月下旬)にも、めまいを訴える女性(70歳)が来院されました。東洋医学ではどのように診断して治療するか?当院の眩暈の鍼灸カルテを紹介しましょう。 眩暈の鍼灸カルテ 主訴:フラフラ・フワフワするタイプのめまい 他にも頭目がボ~ッとする。頭重感。眼の奥が痛い…などの随伴症状もある。 めまいの発症は、朝10時すぎ。鏡を見ると、上眼瞼(まぶた)が脹れぼったい。 それが気になり、眼をゴシゴシこするうち、頭全体にも重くなり、フラフラ・フワフワめまいが始まったとのこと。 「体調が悪い時は足を温めたらよい」と聞いたことがあったので 両足を温めたところ…上半身全体がゾワゾワ~と薄ら寒いような感覚(悪寒ほどではない)が、上へ上へと昇ってきたとのこと。 「こんな気持ちの悪い感覚は病院で言っても伝わらないと思い、足立先生のところに来ました」とのこと。この言葉に気を良くして、早速診察に入ります。 東洋医学の診たてでは… 当院では東洋医学的な診断を行いますので、脈診や腹診で病気の性質を見極めます。 写真:当院でおこなう脈診 さてこの女性の脈はどのような脈かというと… 全体に沈んで緩脈が目立ちます。しかし所々に濇脈や滑脈といった特徴的な脈状が現れています。 脈診で得られた情報は、主に湿邪(いわゆる水毒)に関わるものです。どうやらこの眩暈は湿邪が主となり発症したようです。では、この眩暈は「木」や「肝」とは関係ないのか?というと、そうではありません。 問診情報の中に「木」に関する情報がちりばめられています。 脈診と問診を総合的に分析(合参)して、治療方針を導き出します。この女性の眩暈に対する治療方針は次の3つ。 ①中気を補い、膈を開く(補中・利膈) ②脾経・胃経に鍼することで、①の補助をを行いつつ、胃の停滞を解消 ③上部の気をめぐらしつつ、下部に気を引き下ろす。 脾・胃・腎に関わる経穴に鍼治療・お灸をすることで、利水を促します。この利水によってめまい症状の主犯である湿邪を取り除くことが大きな狙いです。 使用した経穴のいくつかを挙げると…〔中脘・足三里・陰陵泉・太谿…(他は門外秘)〕など。これらの経穴はよく知られる経穴です。 もちろん、うつ伏せになり背部経穴へも鍼・お灸を行います。 背中にはり治療を受ける女性のイラスト ひと通りの治療を終え、脈診でチェックします。 すると…問題視していた緩脈・滑脈・濇脈がとれて、全体に張りのある伸びやかな脈状に回復しています。 実際の体調を確認しても、めまい・眼の痛み・頭重感もとれたとのこと。 気分的にもずいぶんとスッキリしたようすで、視界も明るくなったといってくれます。 念のために来週も治療にきます!と言って、満足げに帰宅されました。 2診目の問診で聞くと、あれから眩暈が起こることもなく、胃のムカムカが少し残る程度のコンディションとのこと。 もちろん、湿邪の停滞はしっかり確認できたので、根本的な体質改善ということで2診目の治療もキッチリと鍼お灸をしておきました。 以上、この春に多くみられた眩暈(めまい)の鍼灸カルテの一つを紹介させていただきました。 院長 足立繁久

  • 睡眠不足に悩む育児ママに産後ケア…のはなし

    睡眠不足に悩む育児ママに産後ケア…のはなし

    受付の足立ももえです。 先日、産後6ヶ月のママさんが来院されました。 この方は妊娠中に逆子治療で当院に通院されていた方。 もともと肩こり腰痛で近くの整骨院に通っておられたようで 「逆子がなかなか治らない」とその整骨院の先生に相談したところ 「逆子治すんやったら足立先生んとこ行き!」と紹介いただいて当院に。 治療3回で逆子は無事に治って、自然分娩でお産もできました。 けど “あと1回” の治療回数券が残っていたので、その1回分を使い切るため今回来院していただきました。 ※お産や手術が理由の場合、無期限で治療回数券は使えるのです。 赤ちゃんはご実感に預けてこられたので会えなかったのですが(ちょっと残念…) しっかり産後ケア鍼灸をさせていただきましたよ。 元々あった肩こり・腰痛もツラいけど、なによりも睡眠不足がツラいとのこと。 退院してしばらくは赤ちゃんもよ~く眠ってくれていたとのこと(親孝行な赤ちゃん!) でも、2週間前に赤ちゃんがカゼを引いて下痢しはじめたのをきっかけに状況が変わります。 お子さんはすっかり完治したものの、お母さんもカゼをもらってしまい体調を崩して、睡眠も不規則になってきたとのこと。 お子さんの風邪や体調不良がきっかけで、お母さんまで体調を崩すことありますよね…。 なによりも乳幼児の育児中での睡眠障害はほんと~うにツラいです。 当院では、そんなママさんの治療には丁寧に時間をかけて治療しています。 治療の前半は手足のツボにお灸と鍼して、まずは心身のリラックスを導きます。その後10~15分ほどアイマスクして毛布の中でウトウトしていただきます。 疲れが蓄積されている方、睡眠不足の方はこの短い時間の中でもしっかりと仮眠をとっていただきます。 後半の治療で、腰・背中・肩に鍼灸をして仕上げです。 授乳や抱っこで肩・肘・腰にダメージはたまるもの、まずは鍼治療、そしてお灸で血行をよくして疲れを流して治療完了です! ホントは鍼やお灸の効果にはもっと複雑なようですけど、インチョーの話が難しくて…私に書けるのはここまでです。(笑) 帰り際に玄関で「あ~スッとした~」と呟いてくれた心からの声が嬉しくて印象的でした。

  • G.W.の帰省中も鍼治療

    G.W.の帰省中も鍼治療

    受付の足立ももえです。 先日の5月の連休後半は実家(愛媛県)に帰省しておりました。 連休明けにはコロナも5類になるという話で、このG.W.の交通渋滞も以前の状態に戻ると予想されていたので、夜明け前の5時前に張り切って出発!そのおかげか無事に大きな渋滞には巻き込まれずに実家に到着できました。行きの運転はインチョーと長男が担当(ご苦労さまでした)。 写真:愛媛県の双見海岸。久しぶりにこの道を通りました。子ども達は「雲が鳳凰の形してる!」と盛り上がってました。 さてさて実家では、普段できない買い出しや電球の交換など、いつもの実家帰省のパターンでした。 あとはインチョーの両親への鍼灸治療。(両親も楽しみにしてくれているみたい) しきりお父さんは「膝の痛みに(鍼が)よう効いとる」と言っていました。初日の買い物のときには足を引きずって歩いていましたが、確かに2日以降はいつも通りに歩いていましたねー。 いつもの帰省治療と違ったのは急患?として、近所のおじさんが鍼治療にやってきたこと。 なんでも一昨日から腰が痛くて痛くて…。家の中を這うようにしていたとのこと。 「昨日は痛くて泣きよった(泣いていた)…」と、あまりの辛さに耐えかねてお父さんに連絡しての治療連絡でした。 ご近所さんのピンチということで、すぐに来てもらい鍼治療です。軽トラから玄関まで、なんとか這うようにして仮の治療室にご来院?です。 いつものように腰を中心に背中~足の範囲を(と、インチョーが言ってました)一時間ほど治療したところ…。 帰りは玄関から軽トラまで、素人目にもずいぶんと歩けるようにはなっていました。 おじさんも「ずいぶんラクになった」とは言ってくれてましたが「明日ももう一回ハリしてほしい…」とも(笑)。 ということで2日続けての集中治療です。 2回の治療で姿勢も歩き方も表情も良くなり、「昨日はよー眠れた!」と笑顔で言ってくれたのが印象的でした。 私たちが大阪に帰るとき、軽トラに乗ってわざわざお見送りに来てくれたのには、インチョーもすごく感動して喜んでましたね(笑) と、今回の愛媛帰省は鍼治療イベントの多いG.W.なのでした。

  • 中医臨床にインチョー記事が掲載

    中医臨床にインチョー記事が掲載

    久しぶりに記事更新です。 当院院長の記事が漢方鍼灸などの中国医学専門誌『中医臨床』に掲載されました。 『陰火学説を素霊難および脈診の観点から考察する』という名の記事が載りました。 ウチのインチョーは一般向けの雑誌とか新聞とかの記事は興味がないのか…専門的な難しい話ばかり書いています。 今回も中国医学の専門的な話のようで…私にはさっぱり分かりませんが、どうやら「永い間、解明されなかった疑問に答えが出た!!」(と、インチョーはテンションが高かったです) 大阪大学の特任研究員の名義で書いたので、大阪大学の方の業績ページにも乗りました。インチョー、大学の方でもガンバってるね! インチョーの名前は、上から3番目のところ「3.足立繁久 .…」とあります。 受付担当 足立ももえ