お灸で(逆子が)治りません…という妊婦さんの診療録

お灸で治りません…

こんな件名でメールを送っていただいたのは、堺市在住の妊婦さん(34歳)

はじめまして。
他院で逆子治療中ですが、逆子が治りません。
1週で5回通いました。
赤ちゃんの胎動が少ないです。
お灸後も赤ちゃんがあまり動かず困っています。
何とか横には動いてますが、回転できないようです。
急ですが、明日は、予約あいてますでしょうか。

現在29週目ということもあり、また他院で集中的に治療したにもかかわらず、無効であったのがプレッシャーになっている様子がメール内容から見受けられます。

逆子ケアの診療録


初診:06月28日

主訴:逆子が治らない

問診情報は次の通り

胎児の頭の位置はみぞおちの下にある。
お尻・足が骨盤にはまることも無し。
臍帯が首にからまることも無し
3歳男の子の育児中。
前回(3年前)のお産は難産であった…。
そして現在、職場の引継ぎ中で、神経使う…とのこと。

脈証
全体の脈状は軟滑
左右の関後一分に弱りの脈
尺中の内側に硬い弦脈

腹証
臍下に弱り

鍼灸師の診立て

脈診や腹診で分かることは、かなりのお疲れを蓄積していることです。
家事も育児も仕事も続けている状態で、さらに職場では産休前の引継ぎ作業に気を使う状態…となれば、疲労が蓄積していないはずがないのですね。
それが脈診にも腹診にもしっかりと現われています。
このような状態で逆子を治す治療だけ行っても、逆子は治りません。
至陰や三陰交だけのお灸では足りないのです。
おそらく前の鍼灸院では、逆子を治すことだけを行ったのかもしれません。
当院での逆子ケアはまず最初に疲れを取り、体力を補充する温灸を行います。
この診立ては鍼灸師により異なります。他院でも同じ診立てができるかどうかは不明です。
とにかく優先的して逆子ケアの準備を整えるわけです。そして最後に逆子のお灸を行います。

実際の治療では、逆子ケアの準備にあたる治療に30分。逆子のお灸に20分(冒頭の問診に7~8分)との時間配分で行っています。

以上にも書きましたように、当院の逆子ケアでは逆子のツボだけに温灸を行うことはまずありません。
全体的に体調を調えてから逆子ケアを行うから、他の鍼灸院では治らない逆子も治るのだと考えています。

治療後のアドバイスは毎日の自宅灸をすること。

そしてお灸のツボをお伝えします。
このお灸のツボも至陰と三陰交だけではありません。
【写真は至陰と三陰交にお灸】

「この人の体質ならば…このツボ!」といったように妊婦さんによってそれぞれ異なります。
また、同じ人でも、週数が変われば、自宅灸のツボも変わることもあります。

2診目・逆子は変わらず…

06月29日

脈に出ていた弱りの所見は少し減る。
赤ちゃんの頭の位置は、心窩部(みぞおち)下から右わき腹に変わるが、逆子のまま…。

体力の底上げ治療と逆子治療を行い、2診目の逆子ケアを終了とします。

3~4診目・少しずつ充実してくる

7月4日および7月7日

脈の力は少しずつ充実してくる。
側腹部の硬さが出てくる。

体質が変わってきていると判断して、お灸のツボの場所を変えます。(自宅灸のツボも同じく変更)

5診目…の4日後の検診で逆子が治っている

7月12日

脈診・腹診ともに力が満ちてくる

2日前からお腹の張りも感じられるようになったとのこと。
このお腹の張りも実際の腹診では、それほどイヤな感じは受けない。
母体と胎児の力が強くなってきたため起こる感覚の可能性が強いとみました。

そして、この4日後の検診で逆子が治っていることを告げられる。

逆子改善後もご本人の意思で、安産のために3回ほど通院される。(前回のお産が難産であったため)

(※写真はソフトモザイク加工をかけています)
後日談では、子宮口開大3cmまでは時間がかかったが、その後 5cm,9cm…とアッという間に全開となりお産が進み、安産であったとのメールをいただく。

当院の東洋医学的・逆子ケアを希望される方は

電話予約はコチラ0721-53-6330

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