院長足立です。
先日、1日と2日(土日)の2日間【Japanese Acupuncture study-abroad tour in Kyoto】の講師を務めてきました。
写真:皆で記念撮影したときのもの
Japanese Acupuncture study-abroad tour 2023(略してJAT2023)とは、サンフランシスコで活躍する前田篤希先生が主宰される日本鍼灸を伝えるツアーのことです。
以前も2018年の春に講師として担当したことありましたが、ここ数年はコロナの世界的なパンデミックのためこのツアーも休止。そしてこの2023年からようやく再開したのでした。
しかも今年は2日間を担当しました。
【東洋医学の小児科医学と小児はり】と【脈診と腹診について】の2講義を担当しました。
実は小児はりという子ども用の鍼は、日本独自で進化したもの。とくに関西を中心に発展してきた、いわば関西本場の鍼治療なのです。
普段、当院で行っている小児はり治療は温灸・打鍼・鑱鍼(調気鍼)の3つを組み合わせています。この日の講座ではとくに鑱鍼(調気鍼)にテーマを絞ってレクチャーしました。ちなみに普段は以下の3種の調気鍼を使い分けています。
写真:調気鍼のいろいろ(左:銀製 中央:銅製 右:真鍮製)
もちろん小児はりの技術だけなく、東洋医学での小児科医学は古くより中国から伝ってきたもの。その両方をしっかりと講義してきましたよ。
2日目は脈診と腹診をレクチャー
脈診と腹診を使った診断は私が行う鍼灸治療の根幹と言えます。その脈診と腹診の基本となる理論と技術を伝えました。
また基本だけでなく東洋医学の濃い話も紹介しましたが、皆さん一生懸命について来てくれるようでした。
もちろん脈診や腹診の技術、それを活かすための鍼法も伝えましたが、やはりマニュアルだけでは伝わらないことがある…ということも現場では感じられました。それを伝えるために「秘結(secret)」と称して皆さんに伝えた言葉は、我ながら重要な要訣そのものだな…と振り返って思います。
写真:講座終了後に前田篤希先生とMahtab先生と記念撮影
前田先生、Mahtab先生のお二人は、2019年に当院に研修にも来たことがあるのです。(過去記事『足立鍼灸治療院に海外研修生が!』をどうぞ)
この2日間の講座は私にとって日本鍼灸にある“感性”や“精神”について考え直すよいきっかけにもなりました。
『どう伝えれば、どんな姿勢を示せば、日本鍼灸の精神が伝わる?』をテーマに前田先生と土曜日の深夜02時まで熱い作戦会議をしたことは忘れられない良い思い出です。