夫が腰痛で立てません…

立ち上がることができません!のお電話

つわりの治療で通院されている女性から「夫が腰痛で立てません!」と、ご夫婦での鍼灸をご希望されました。

当院はプレママ&ママサポート鍼灸院の看板は出していますが、パパさんの治療やおばあちゃん・おじいちゃんの治療を依頼されることも多いです。

その結果、親子三代の皆さんを治療するファミリー・サポート鍼灸院になっています。
「たいていの症状は治療しています」というのが現状ですね。

急性腰痛の治療

さてこの男性、奥さまの付き添いで慎重な足取りでご来院。その動作から痛みの強さがうかがえます。
聴けば、腰痛は過去に何度か経験されており、その時も鍼を受けて難を逃れたとのこと。いざという時に鍼治療を選択していただけるのは嬉しいですね。

さて、今回はこの場所に痛みが強いようす。(下図参照のこと)

実際に触れると、かなり細い筋(すじ)がいくつかゴリゴリと指先に触れることができます。ツボ(経穴)でいうと大腸兪のエリアですね。

鍼灸師のための☝point情報

 

 

この経穴はこの症例パターンの他に、足元の冷えからも影響を受けやすい部位です。
これを経穴の虚実でいうと、筋・硬結=実の反応ですが、健全な組織との分離している部分が虚なのです。
治療では、この虚と実をつなぐような鍼をします。

鍼を効かせた後の効果を確認すると…

実際に大腸兪を中心に数本の鍼を行い、鍼を効かせた後に…おもむろに起き上ってもらいます。

治療する前まで、痛みのためにできなかった動作(歩く・かがむ・仰臥位から起き上がる…など)をしてもらって痛みの確認をしてもらうと…

「あっ…痛くない!」とひと言。

イラストは痛みが無くなった!のイメージ図

この素朴な患者さんのつぶやきが、嬉しくもホッとする瞬間です。

とはいえ、これで治療終了とするのも、まだ安心できないので、もうひと治療です。

痛み再発防止の鍼治療

「痛がなくなったとはいえ、まだ違和感などが残っている所があるはずです。」
「どの辺りに違和感が残っていますか?」
と聞いてみると、腰を前後・左右に確認…。

すると、背骨(腰椎)すぐそばの右の筋に少し違和感が残る…とのこと。

痛みの治療としてはほぼ終えていますが、痛み再発防止の鍼。

また、日々のお疲れも強い様子ですので、
後半の治療では「腰痛再発予防」と「お疲れを癒す治療」の2本立て。

蓄積した疲労をほどく鍼治療

腰から背中のツボにかけて置鍼です。


その間、寝息を立ててのウトウトされるパパさん。

鍼灸で体を緩めると、痛みが緩和されることはもちろん、心身の緊張がゆるみます。
緊張がとけるとホッとして、ウトウト眠くなるといった変化があらわれます。当院の治療中にはスヤスヤ眠る方も少なくありません。

鍼灸で硬くなってしまった筋肉を緩めるということは、「痛みを緩める効果」に加えて、「痛み・症状の再発予防」につながります。
体の緊張を解くことで、蓄積していた疲労が浮き彫りになりますので、治療中にウトウト・スヤスヤすることで、相当のリフレッシュになるのです。

この方の場合、まさにそれ。

治療前は、腰をおさえて痛みを我慢し、横たわるのも起き上がるのもソロリソロリとコワゴワとしていましたが、治療後半には、寝息を立てて熟睡。この時点で、腰痛の存在はすっかり忘れられていたことでしょう。

今回の腰痛は痛みはひどかったですが、病態の質は比較的シンプルなものだったので、この一回の治療で終了。
もしもまた腰痛が出たときはまたご来院ください、ということをお伝えして笑顔で帰っていただきました。

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