つわりとムズムズ脚症候群のダブル治療

今回のマタニティ鍼灸カルテは妊娠12週目の方。

吐き気を主訴としてご来院されました。

実際に来られていろいろとお話を伺ってみると、今回の妊娠は4回目。
過去の妊娠・出産では毎回なんらかのマイナートラブルがあったそうです。

ひと通りの問診終えた時に思ったのが、『こりゃ一筋縄ではいかないな』と。

主訴は「吐き気」を主としたつわりなのですが、どうやらそれは表面上の症状のようで・・・

妊娠期のマイナートラブルいろいろ

初診時のマイナートラブル各症状

・吐きつわり・食べつわり、2つのつわり症状あり。
・食後の胃の詰まり感も強い。
・便秘あり
・むくみ(浮腫)あり
・仕事は忙しく朝から夕方まで動き回っている
 毎日体力の限界まで頑張っているようす
・ムズムズ脚症候群の症状も強く見られる
 主に足首とふくらはぎの周辺

どうやら“つわり”と“ムズムズ脚症候群”のW症状のようです。

これは湿痰・水毒の処置に力を入れるべき体質のようです。

鍼灸師のための☝point情報

つわり・ムズムズ脚症候群の体質として、両疾患ともに水毒(すいどく)湿痰(しったん)が関わるとみています。
しかし、湿痰・水毒を生み出す原因には、食生活や運動、排便排尿など生活習慣が深く関与します。

この生活習慣を変えるということは難しいことが多く、対処療法的な処置に終わってしまうことが…。

この方の鍼灸ケア第1回目は「①安胎・②体力補給・③水毒除去」といった優先順位で行いました。

しかし治療の割合としては「安胎10%、体力補給70%・水毒除去20%」

特に日々忙しく走り回っている様子が非常に気になり、体力補給の鍼とお灸は必須と判断しました。

4人のお子さまを抱え、朝から晩まで毎日のお仕事。
家事・育児・仕事、さらに妊娠…と通常の4倍は消耗していると言えます。

つわり・ムズムズ脚症候群の症状は、水毒除去によっていくぶん軽くなる予定です。
とはいえ、今回の主となる治療方針は体力補給なので、その旨をお伝えし、
自宅灸のツボについてもアドバイスをして初診終了としました。

2診目・・

気になる初診の結果は・・・

「つわりがかなり減りました!」とのこと。

「吐き気は減り、あれから嘔吐は無く、胃の重さ・詰まりも取れて、久しぶりに爽快な気になれました!」と嬉しいコメント。

疲労を主な治療ターゲットとし、体力補給を7割にした鍼灸ケアの組み立てで、
そこまでつわり改善の結果が見られるということは、「やはり疲労の影響が強いんですよ…」とアドバイスをさせていただきました。

少しでもペースを落としてくれればいいのですが…現実はそうはいきませんよね…。

とはいえ、鍼灸2診目も同様の治療配分で終了としました。

ムズムズ脚もラクになりました!

3診目の問診では以下のようなコメントをいただきました。

「つわりはもう気になりません」

「ムズムズ脚(の症状)もシールの鍼を貼ってもらうと全然気にならない!」

「今までの妊娠生活い比べてダントツで動けます(笑)」

と、嬉しくも快調すぎて心配になるコメントをいただきました。

心配していた日々のガンバリによる疲労や

※「シールの鍼」とはパイオネックスという鍼。
下写真のように、シール状になっていて中央に鍼状の刺激箇所があります。

写真:セイリン(SEIRIN)社製 パイオネックス(PYONEX)の写真

下のようにツボに貼ります。
ツボは反応が最も強い点を見極めて貼りますので、専門の鍼灸院でパイオネックスを貼ってもらうことをお勧めします。


鍼状の部分は長さが1㎜以下なので、痛くありません。


シール・カラーは肌色に近く、見た目もほとんど気になりません。


足三里にパイオネックス。

足三里は消化器系の働きを助け、水毒減少の助けになるツボです。

もちろん、この方の“シールの鍼”は足三里の他にも各ツボを組み合わせて、
この方の体質に合わせたツボ処方となっております。

つわり症状は消失、ムズムズ脚症候群も順調

普段の生活ペースを調節するとともに、
「体力補給」のツボに自宅灸を続けてもらうことで、徐々に水毒除去を強めていきました。

「安胎10%、体力補給50%・水毒除去40%」

以上のような比率でつわりの再発防止ムズムズ脚症候群の症状抑制に非常に良い結果がでました。

「鍼を受けると普段の生活がラク!」

「5人目のお産は安産でいきたいから」

等々の理由により、しばらく定期的に通院してくださることになりました。

当院の東洋医学的つわりケアを希望される方は

電話予約はコチラ0721-53-6330

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